『4,5 AND 6』の6曲目は【ABSTRACTION】(以下【アブストラクション】)。

 『4, 5 & 6』の『』である。…なのにハンク・モブレイの見せ場はない。
 「バップ・トランペッター」のドナルド・バード入りである。…なのにバラードである。

 【アブストラクション】は,世評的には名演なのであろう。確かにジャッキー・マクリーンの“枯れた”アルト・サックスが淡々と語りかける様がセンチメンタルではある。

 しかし【アブストラクション】の出来では感動には至らない。この全ては過剰演出である。
 ジャッキー・マクリーン以外のソロイストたちは“ジャッキー・マクリーンっぽく”アドリブを取っている。この程度のトランペットなら,何もドナルド・バードに吹かせなくても良かったのに…。

 ジャッキー・マクリーンの魅力は“熱気”であって,クールな演奏には(その出来が良ければなおのこと)いたたまれない思いが付きまとってしまう…。

 
JACKIE McLEAN : Alto Sax
DONALD BYRD : Trumpet
HANK MOBLEY : Tenor Sax
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ART TAYLOR : Drums

4, 5 AND 6-1
4, 5 and 6
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詩編42編 偉大な救い主である神への賛美
本田雅人 『REAL-FUSION