
同じニューヨーク録音でも『SARA SMILE』と『スターダスト』のトランペットの音造りは大きく異なる。
この違いは市原ひかりの目指した着地点の違いであり,全体を広く見渡せるようになったアレンジ・センスの賜物である。
温かい音色&柔らかいフレージング。一言で言えば“まろやかな”トランペットが,ストレートに飛び込んでくる。
『スターダスト』の第一印象は「随分と大人びたなぁ」であった。成長というか成熟というか,トランペッターとしての自信と余裕が聴こえてくる。
手垢のついたジャズ・スタンダードに斬新なアレンジで息を吹きかけるのだが,これが「気負いのない自然体」なのだ。「ねぇ,聞いて&聞いてよ」も「お涙頂戴」も一切なし。
力まず,ひるまず,おごらずの「地にどっしりと足の着いた」演奏スタイルなのに,なぜか“ふわふわした”浮遊感を伴う市原ひかりのトランペット。

3管なのに小品っぽい。トランペットがサックスっぽい。『スターダスト』に市原ひかりの“控えめな”でも確かな色気への記録がある。
01. Blue minor
02. Stardust
03. When you wish upon a star (星に願いを)
04. Skylark
05. 走馬灯
06. I'll wait for you (シェルブールの雨傘)
07. Smile
08. I remember Clifford
09. And they lived happily ever after
(ポニー・キャニオン/AFTER BEAT 2007年発売/PCCY-60006)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/中川ヨウ)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/中川ヨウ)
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またしてもこの記事と関係のないキースネタで申し訳ないですが、以下のサイトによるとトリオの新作が来年発売されるみたいです。
http://www.keithjarrett.org/
サイトをチェックしてきました。トリオのCDは久しぶりですね。『Somewhere』とアナウンスされていますが,どんな仕上がりとなっているのか?楽しみです。
さて,私的には『Somewhere』以上に「Solo concerts in Tokyo in May 2012」です。東京まで一緒に行きませんか?
私と和仁さんの仲じゃないですか。まさかはないでしょ?(冗談です)
勝手にリクエストしてすみません。お気になさらないでください。おとなしくトリオの新作を待つことにしますね。