『BRAIN』の8曲目は【LEGEND OF THE PURPLE VALLEY】(以下【レジェンド・オブ・ザ・パープル・ヴァレー】)。
【レジェンド・オブ・ザ・パープル・ヴァレー】には,作曲家=上原ひろみの個性が色濃く表現されている。上原ひろみは「稀代の長編作家」である。
【レジェンド・オブ・ザ・パープル・ヴァレー】の聴き所は,時代を越え国境や人種の壁を越える,普遍性である。良いものはいつ聴いてもどこで聴いても良い。【レジェンド・オブ・ザ・パープル・ヴァレー】には,ジャズ/フュージョンというジャンルをも越える訴求力がある。そう。全ての音楽ファンに捧げる,作曲家=上原ひろみからの贈り物なのである。
いつ聴いても何度聴いても唸ってしまう。聴けば聴く程,完成度の高さに感心させられてしまう。10分47秒もの時間をかけて細部のディテールまで描き出した長編大作である。これぞバークリー「作編曲科卒」の成せる業! いいや,これぞ上原ひろみの「有り余る才能」の発露である! 正真正銘の名曲である。
【レジェンド・オブ・ザ・パープル・ヴァレー】は,最初に提示される27秒から30秒までのピアノのテーマがピアノ・トリオでリフレインされていくのだが,1分4秒から7秒,9分46秒から49秒,10分22秒から10分25秒でのアンソニー・ジャクソンのベースによる“語り口”が一番説得力を持っている。脚本を超えた名演技(作曲を超えた名演)・恐るべし,世界のアンソニー・ジャクソン!
HIROMI UEHARA : Piano, Keyboards
ANTHONY JACKSON : Bass
MARTIN VALIHORA : Drums
コメント
コメント一覧 (4)
「名演有るのみ」は至言ですが,名曲に賛辞を送ってもいいのかなぁ,とね?
『プレイス・トゥー・ビー』は名盤ですね。ソロ・ピアノゆえジャズ・ピアニスト=上原ひろみの演奏力が爆発していますが,楽曲の完成度も最高です。まこさんと共に上原ひろみを応援しています!