『BEYOND THE MISSOURI SKY (SHORT STORY)』の6曲目は【THE MOON IS A HARSH MISTRESS】(以下【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】。
『ミズーリの空高く』で燃え上がる,静かなる青い炎は【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】から始まった!
『ミズーリの空高く』の最重要曲=チャーリー・ヘイデンとパット・メセニーのクロス・ポイントが【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】である。
チャーリー・ヘイデンのウッド・ベースとパット・メセニーのステール弦による“静かな静かな”のデュエットは『ミズーリの空高く』前半の音世界である。
そこへ,1分31秒でフィルインしてくるガッド・ギターで奏でられた美メロに頭くらくらした瞬間,更なる追い討ちをかけるシンクラビアによるストリングス・アレンジが実に美しい。美しすぎる! これぞ一気に華やぐ『ミズーリの空高く』後半の音世界である。
ライナーノーツの中でチャーリー・ヘイデンが,メセニー・ミュージックを指して“アメリカ印象主義”と呼んでいるが【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】は,これぞ“アメリカ印象主義”の王道である。パット・メセニー=ジャズ/フュージョン界のモネである(アメリカ印象主義ではないけれど…)。
【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】は『ミズーリの空高く』のジャケット写真にある,群青やセピア色の空の移ろいが音楽的に表現されたトラックである。夕暮れを覆いつくす空一面のオレンジの雲が“アメリカ印象主義”の象徴である。
CHARLIE HADEN : Bass
PAT METHENY : Acoustic Guitars and all other instruments
コメント
コメント一覧 (4)
ご指摘の通り【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】から『ミズーリの空高く』の空模様が移ろい始めたと思います。
クロス・ポイントと来ればカシオペアですが【ザ・ムーン・イズ・ア・ハーシュ・ミストレス】のクロス・ポイントは南アフリカはダーバン! インド洋と大西洋が入り混じっていま〜す。
オールシーズン・オールタイム・ベストで〜す。