![SEEKING BLUE-1](https://livedoor.blogimg.jp/adliblog/imgs/6/b/6b095de1.jpg)
普通に考えたら定年退職を控え,第二の人生を謳歌しようと考えるジャズ喫茶世代=団塊の世代をターゲットにしていると思うのだが,どうやら購入の中心層は意外にもジャズ・ファンではなく,現代のレア・グルーヴ世代やDJ筋らしい。
へぇ〜。“和ジャズ”や“昭和ジャズ”が懐古趣味などではなく“最新”の音楽だったとは驚きである。
さて,この歓迎すべき“CD復刻シリーズ”の中で,管理人の目が,手が止まったのが,ピアニスト=今田勝の『SEEKING BLUE』(以下『シーキング・ブルー』)である。
管理人にとって,今田勝と来れば「今田勝&ナウイン」である。他のフュージョン・バンドとは一線を画する「今田勝&ナウイン」は「ジャズ・ピアノの詩人」と称された今田勝の個性そのもの。「重厚なのに軽やかな音」という意味不明な表現が“一番しっくりくる”独特なサウンドは,今田勝の作曲センスの賜物にあった。
そこで,当時の“マセガキ”管理人は“フュージョンしてない”今田勝に興味を覚えた。お小遣いは少ない。悩みに悩んで決断した“JAZZYな”今田勝の1枚が『シーキング・ブルー』だった。
当時は試聴機などない時代。『シーキング・ブルー』の決め手は,全曲・今田勝のオリジナルであったことと“強面”のジャケット写真であった(単純)。
井上陽水似? はたまた裏社会の人っぽいジャケット写真からは“ナウイン・サウンド”していない今田勝が漂い出ている!?
![SEEKING BLUE-2](https://livedoor.blogimg.jp/adliblog/imgs/f/9/f9c74ea4.jpg)
『シーキング・ブルー』には,爽やかなアンサンブルではなくアドリブで勝負する“ジャズ・ピアニスト”今田勝がいた。“ナウイン・サウンド”していない今田勝を知った時の衝撃は,例えば「11PM」よろしく“覗いてはならない大人の世界”を覗いてしまった気がしたものだ。
あぁ『シーキング・ブルー』。(『ブルー』なだけに)青春の『シーキング・ブルー』。
正直『シーキング・ブルー』以上の名盤は数多いが,管理人にとっての“和ジャズ”や“昭和ジャズ”の代表作とは『シーキング・ブルー』なのである。
久方ぶりに聴いた『シーキング・ブルー』が懐かしい。しかし今の耳にも新しい響く“サムシング”がある。
『シーキング・ブルー』にレア・グルーヴは含まれていないが,本物の“和ジャズ”や“昭和ジャズ”は,懐古趣味抜きに“最新”の音楽として十分に楽しめる。
01. SEEKING BLUE
02. PIKO
03. WAKE UP
04. BLUE PIANO
05. MORNING SUNSHINE
MASARU IMADA : Piano
KUNIMITSU INABA : Bass
FUMIO WATANABE : Drums
SHIGEHARU MUKAI : Trombone
SEIICHI NAKAMURA : Sax
(ユピテル・レコード/YUPITERU RECORDS 1978年発売/ABCJ-441)
マタイ18章 迷い出た羊の例え
大西順子 『フラジャイル』
コメント一覧 (6)
渡辺香津美との『アンダルシアの風』は名盤ですよね。今田勝と渡辺香津美の続編を作ってほしかった〜。
このシリーズ、裏ジャケだけが残念ですよね…。このシリーズではないですが、小曽根パパの盤とかも復刻されて、まさに「懐古回帰」のジャズ界を感じます。
おっしゃる通り,裏ジャケだけが残念です。昔ユピテル今アブソードですから…。
わお。『シーキング・ブルー』こそ,青春のテーマソングですよね?