
『THE THREE PRIMARY COLORS』は“今をときめく”ベース=リチャード・ボナ,ドラム=アリ・ホーニッグとのギター・トリオ!
赤の小沼ようすけ,緑のリチャード・ボナ,青のアリ・ホーニッグ。『THE THREE PRIMARY COLORS』(色の3原色・RGB)の実にシンボリックなジャケットの色分けに妙に納得してしまうのもつかの間,若き天才3人の音の3原色がホットに混ざり合い“七色レーザービーム”級の多彩な光が発散している。
ベーシストが「ジャコ・パストリアスの再来」と言われるリチャード・ボナなので,どうしてもパット・メセニーの『ブライト・サイズ・ライフ』と比較してしまうのだが,1曲目の【FROLICKING】はドンピシャだが,聴き進めるうちに『ブライト・サイズ・ライフ』よりも『トリオ99→00』に近いイメージを抱いてしまったのは管理人だけ?
つまりギター・トリオの核である,ドラマー=アリ・ホーニッグのセンスの良さが浮き出ている! ← この意味が分かるあなたはビル・スチュアートよりもジェフ・バラードがお好きなのでは?(またまた身内ネタですみません)
『THE THREE PRIMARY COLORS』の録音バランスは完全な小沼ようすけ寄り。リチャード・ボナ+アリ・ホーニッグの“当代きってのリズム隊”が凄すぎるので,小沼ようすけの“細身のギター”の音量が上がり気味である。
しかし,この“細身のギター”には訳がある。
『THE THREE PRIMARY COLORS』から小沼ようすけはギター・ピックの使用をやめた。
小沼ようすけのギターを遊びで指弾きするリチャード・ボナを見続けたのがきっかけで,小沼ようすけ自身がフィンガー・ピッキングに転向する決心をしたと言う。流石は“ベース・ギタリスト”と称されるリチャード・ボナである。

ミスタッチをも呑み込む,小沼ようすけ独特の早弾きが『THE THREE PRIMARY COLORS』に『トリオ99→00』のような“アコースティック”なギター・トリオを感じさせる要因であろう。
ケニー・バレル系ジャズ・ギタリストには,音空間の大きいギター・トリオがよく似合う。ギター・トリオなのに,様々な音色が混じり合う大編成を思わせる音・音・音!
小沼ようすけには『NU JAZZ』で聴かせてくれた,オルガン・ジャズでのグルーヴ路線を期待していたが,フィンガー・ピッキングに転向した現在,意外に小編成ものが合うのかもしれない。
01. Frolicking
02. The Lily
03. Feel Like Makin' Love
04. She Said She Said
05. Silence Of The Night
06. Can We Still Be Friends ?
07. The Windjammer
08. Happy Playing Ground
09. Dawn
10. Around The Love
(ソニー・ミュージック/SONY 2004年発売/SICP-10010)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/小沼ようすけ)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/小沼ようすけ)
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