JIVE JIVE-1 管理人の中で年々評価を下げてきたのが『フォトグラフス』なら,年々評価を上げてきたのが『JIVE JIVE』(以下『ジャイヴ・ジャイヴ』)である。
 
 『ジャイヴ・ジャイヴ』は,かつて管理人の中では“訳有り組”であった。『ジャイヴ・ジャイヴ』を初めて聴いた時,かなり凹んだ。例えるなら,自分の好きな女の子が変な髪形をしてきたような…。
 そう。『ジャイヴ・ジャイヴ』には,当時,管理人が大好きだった『フォトグラフス』のカシオペアの面影がなくなっていた。“衝撃のイメチェン”であった。
 当時はまだ“純な”中学生だった管理人には『ジャイヴ・ジャイヴ』での“激変”ファンク路線がアングラ系に思えてしまって,さぁ大変! 純潔を捨てる覚悟で(大袈裟?)親の目(耳)を盗みながら?『ジャイヴ・ジャイヴ』と向き合ったものだ。あ〜,このくらい真面目だった頃の自分に戻りてぇ〜。

 『ジャイヴ・ジャイヴ』での“衝撃のイメチェン”には訳がある。キーワードは“ロンドン・レコーディング”である。
 『ジャイヴ・ジャイヴ』がレコーディングされた1983年。世界の流行発信地=ロンドンは“音楽トレンドの発信地”でもあった。音楽シーンはブリティッシュ・ロック全盛期! デュラン・デュラン,カジャグーグー,カルチャー・クラブ,スパンダー・バレエ,ワム!
 このメガトン・パワーの勢いはフュージョン・シーンにも飛び火し,シャカタクレヴェル42(ここがポイント,下記に続く)の2強に(イギリスではありませんが)アイスランドのメゾフォルテにオランダのフルーツケーキと欧州全盛期! 最近流行の「ヨーロッパ・ジャズ」などまだまだ青いのだ。
 なぜって? それこそ“島国日本の”フュージョン・バンド=カシオペア・サウンドにまで大きな影響を及ぼしたのだから…。

 『ジャイヴ・ジャイヴ』は,カシオペアを心から愛する日本とロンドンの現地スタッフ「チーム“ファンクカシオペア」による“妥協を排したストイックな音造り”の結晶である。
 ロンドンの高貴さと陰影とが同居した“ジャズ・ファンク”! それが『ジャイヴ・ジャイヴ』の真髄なのである。

 ロンドンの先進性を追求した結果が「MIDI」「ギター・シンセ」「シンセ・ドラム」「リン・ドラム」などのエレクトロニカの導入につながり,ジャズ・ファンクレヴェル42路線を追求した結果が,本格ヴォーカル・ナンバーの導入につながっている(これまではボコーダスキャット止まりだった)。

JIVE JIVE-2 当初はアングラ系とビビッてしまったのは“カワイイ”昔の笑い話。紆余曲折を経て管理人も「チーム“ファンクカシオペア」の仲間入り!
 ジャズ・ファンクと出会う前,美人で明るい正統派の女の子(『フォトグラフス』)が好きだったが,ちょっとミステリアスな女の子(『ジャイヴ・ジャイヴ』)もいいではないか! いや『ジャイヴ・ジャイヴ』のカシオペアこそが最高だ! 
 VIVA! ファンクカシオペア! 好きだ〜! 名盤だ〜!

PS 『ジャイヴ・ジャイヴ』のジャケットの似顔絵は野呂一生作です。ちなみに『ミント・ジャムス』のジャケットのイラストも野呂一生作らしい。野呂一生マイルス・デイビスのようなお方です。

  01. SWEAT IT OUT
  02. IN THE POCKET
  03. RIGHT FROM THE HEART
  04. STEP DAUGHTER
  05. SECRET CHASE
  06. FABBYDABBY
  07. LIVING ON A FEELING
  08. S-E
  09. WHAT CAN'T SPEAK CAN'T LIE

(アルファ/ALFA 1983年発売/VRCL-2210)
(ライナーノーツ/青木誠)
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