
そう。『BEAUTIFUL DAY』(以下『ビューティフル・デイ』)のコンセプトは「海辺の美しい一日」。サーフィンとジャズ・ギターの融合=自然との対話から産み出された“ナチュラル・グルーヴ”である。
海,風,太陽…。サーフィンとギターとジャズ…。小沼ようすけが数年前から始めたというサーフィンとの出会いが,彼の音楽性を揺り動かしている。
『ビューティフル・デイ』は,ジャズでもフュージョンでもなく“歌詞のないAOR”である。
よって『ビューティフル・デイ』を管理人は評価しないが,自然やエコロジーといったオーガニックなフィーリングには“聴き惚れてしまう”。無意識のうちに「海辺の美しい一日」を思い浮かべてしまう。
波乗りの小沼ようすけが,世界最高峰の“ナチュラル・グルーヴ”に乗っていく。リンカーン・ゴーインズのベースとスティーヴ・フェローンのドラムが,シンプルでステディにグルーヴし,小沼ようすけのギターが“ゆったりと情感豊かに”流れていく。休日の昼下がりに読書のBGMとして流すのにうってつけであろう。
『ビューティフル・デイ』で,アコースティック・ギターのシャワーを浴びると,何もかもが透明になっていく。やがては雄大な海と青い空が一体化していく。心が洗われる気分がする。
とは言え『ビューティフル・デイ』には,小沼ようすけの“邪念”も録音されている。それがアル・シュミットの起用である。
そう。“ベンソン・フリーク”である小沼ようすけが,ジョージ・ベンソンのヒット作を手掛け,幾度となくグラミーを受賞しているエンジニアを起用したのだ。
アル・シュミットだけではない。小沼ようすけの“邪念”は,レコーディング・スタジオにも表われている。LA「キャピトル・スタジオ」。そう。ジョージ・ベンソンが『ブリージン』を録音したスタジオである。もうこれは“職権乱用”の世界である。

『ビューティフル・デイ』は“等身大の”小沼ようすけの記録である。趣味のサーフィンのように,自由に風をとらえて,太陽の下,波との会話を楽しんでいるようなCDである。
なお【初回限定盤】付属のDVDには,小沼ようすけ弾き語りでのトラック批評が楽しめます。もうアドリブログでのトラック批評は不要? いえいえ?
CD
01. Introduction
02. Green
03. Wind
04. Ride
05. Hot Sand
06. Beautiful Day
07. Modern Man
08. Sunset
09. Affirmation
10. Malibu -memory of beautiful days-
DVD
Yosuke Onuma's Beautiful Day
(ソニー/SONY 2007年発売/SICP-10093-4)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/小沼ようすけ)
★【初回限定盤】 SACD HYBRID+DVD
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/小沼ようすけ)
★【初回限定盤】 SACD HYBRID+DVD