FULL COLORS-1 『FULL COLORS』が,ナルチョ時代(ここを日山時代と書かないのがミソ)のカシオペアの最高傑作である。

 傑出した有名曲はないまでも全曲粒揃いでT−スクェアでいう所の『ヒューマン』のような存在。いつ聴いても,そして聴けば聴くほど味が出る。『FULL COLORS』には,ジンサク時代には決して作れなかった,リラックスした楽曲群の良さがある。

 『FULL COLORS』の成功の秘訣はリーダー=野呂一生の敏腕にある。
 どこかのインタビュー記事で「曲はメンバーを想定して書く。リズム隊が変われば当然作風も変わる」みたいなことを語っていたのだが,ナルチョ日山正明の個性を早くも“完全掌握”し「このメンバーだからこのサウンド」という,新しいカシオペア・サウンドを構築している。
 『FULL COLORS』というタイトルは実に的を得ている。このジャケットの“華やいだ爆発”がいい。(注:決して『FULL COLORS』なウニの模写ではありません)。

FULL COLORS-2 ブランニュー・カシオペアの真髄は,腰の重いリズムに似つかぬ「カラフルな音世界」にある。
 『FULL COLORS』なカシオペア・サウンドの万華鏡が桃源郷!

  01. FIGHTMAN
  02. THE SKY
  03. PASSIONATE VOLTAGE
  04. PURPLE HOURS
  05. FINAL CHANCE
  06. AKAPPACHI-ISM
  07. PRIVATE SUNDAY
  08. SEARCH MY HEART
  09. STREET OF DREAMS
  10. NAVIGATORS
  11. ONCE IN A BLUE MOON
  12. TOP WIND

(パイオニアLDC/PIONEER LDC 1991年発売/PICL-1016)

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