カシオペア4代目の新ドラマー=熊谷徳明の演奏は,熊谷徳明のデビューCD『DRAMATIC』(以下『ドラマティック』)発売前にチェックした。聴き届けた。93年1月の「RENEWAL GIG」と題するツアーであった。ブランニュー・カシオペアの一員として,カシオペアの解散危機を救った功労者であり,ドラマーとしても相棒=ナルチョとは“抜群の相性の良さ”を見せていた,前ドラマー=日山正明を卑下するつもりは毛頭ない。
しかし熊谷徳明の“ハイ・テクニックな”ドラミングを聴いて「これだ!」と思ってしまったのも事実。基本=ジャズ・ドラマーの日山正明に対し,基本=和製デイヴ・ウェックルで,たまに神保彰が入るのが,バークリー帰りのドラム・エリート=熊谷徳明の特徴であろう。
神保彰をアイドル視し,カシオペアのコピーに明け暮れた青春を公言する熊谷徳明のドラミングに「神保さんが帰ってきた」と思った瞬間の幸福感!
日山正明の弱点とされた(あくまで,超絶技巧集団=カシオペアのドラマーとして捉えた場合の話です。日山さんは,管理人の大好きなドラマーのお一人です)パーカッシブな手数と地味なドラム・ソロを補強し“ハミダさんばかり”の派手さに,カシオペアの“新たな未来”を感じたものだ。
そんなカシオペアの第●章の幕開けを告げる『ドラマティック』は,こちらもカムバック組の「アルファ・レコード」への再移籍第一弾!この古巣とのタッグが影響したのか『ドラマティック』は不発であった。
気持ち,テクニカルな熊谷徳明を獲得し,ジンサク時代の“黄金期の再現”を目指している感ありあり。
しかし,もう元には戻れない! 戻れやしない! ( ここから先はオフレコです。管理人は日山正明から熊谷徳明へのドラマーの交代は,野呂一生の“陰謀”だと思っている。表向き,日山正明の脱退は「体調不良」とされているが,実際は佐々木隆の時と同じでは? 非情な勝利至上主義はバンド運営者には向いていません。もうこれ以上は書けません。 )
『ドラマティック』の真の主役は,新メンバー=熊谷徳明ではなく鳴瀬喜博である。鳴瀬喜博の中にある“カシオペアらしく”のタガが外れたのが『ドラマティック』だったと思う。
野呂一生の狙い通り『ドラマティック』は「テクニック(演奏)よし,曲(メロディ)よし,アレンジ(アンサンブル)よし」の黄金期のカシオペアを彷彿とさせるレベルに達している。
しかし,何かが違う。やっぱりベースが違うんだよなぁ。ナルチョのベースが爆音で歪んでいる。これが精悍で美しくクリアな“カシオペアらしさ”と一致しない原因だろうなぁ。そしてたまに“ハマル”からやっかいなことこのうえなし。
要は曲とかアルバムとかの全ての出来・不出来が「カシオペア・サウンドに合うかどうか」ではなく「ナルチョの“爆音歪みベース”に合うかどうか」で決まってしまうのだ。ああ,何とも悲しや「ナルチョの呪縛」!
ただし『ドラマティック』のナルチョのベースはまだ伸び伸び〜。恐怖の“ナルチョの呪縛”の大噴火は『ASIAN DREAMER』でやってくる〜。
ナルチョの“突出”を中和させていた「縁の下の力持ち」タイプ=日山正明のリストラが大失敗。勿論“派手系”熊谷徳明のドラミングは素晴らしい。このシナリオの中で熊谷徳明は何ら悪くない,ナルチョが悪い訳でもない。全ては“ミスター・カシオペア”野呂一生の判断に責任がある。
ついでながらカシオペア「活動休止」の判断もかなり疑問であるのだが…。
PS でもでも野呂さんのパフォーマンスと音楽性は今でも変わらず大好きですよっ。フォローフォロー。
01. GLORY
02. FLY TO THE SUN
03. THE TORNADO
04. SHADOW OF MIDNIGHT
05. LIFE GOES ON
06. VOICE FROM OTHERS
07. CUBIC MUSIC
08. ANCIENT ROMAN
09. SHOCKING FUNCTION
10. 道
11. ORIENTAL SPIRITS
12. KEY OF MIRACLE
(アルファ/ALFA 1993年発売/ALCA-487)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆スリップ・ケース仕様)
コメント一覧 (5)
リニューアルギグ懐かしいですね!
ボクも行ってきましたよ(^^)
熊谷徳明お披露目ライブでしたね。
このアルバムは、非情に微妙な位置に属するアルバムだと思います。
サウンドはナルチョ時代のカシオペアなのですが、何処かチグハグさみたいな物を感じるんです。
もちろん、楽曲は素晴らしいんですが、アルバム全体の持つ雰囲気とでも言いましょうか・・熊谷氏との相性かもしれませんね。
そうそう、向谷実の伝説?著書「フュージョン狂時代」にも日山氏脱退の事は触れられて無かったですね・・ある意味、不運なドラマーのイメージが付きまといます。でも、彼のいた時代のカシオペアのアルバムは、どれもクオリティーの高い物ばかりだと思うんです。
リニューアルギグ行かれたんですね。私は東京でしたが,もしかしたら同じ瞬間を堪能していたのかも?
日山さんのご意見が興味深いです。うんうん。そうそう。やはり日山さん在籍時のオリジナル3枚はクオリティー高いですよね。
カシオペアのドラマーになれるとはめっちゃ幸運なのに,神保さんの後釜なのが「不運なドラマー」イメージ先行?
やっぱり書きます。
日山さんは、リストラされたというのか、せざるを得なかった、のですかね。彼自身が、限界を感じていたのかもしれない。
CASIOPEAの分裂当時、そりゃ色々なことがあったでしょうけど、野呂さんのような人でも、大きなミス(日山さんを正規採用した事)を犯したわけですね。野呂さんの肩を持つわけではないけれど(いや、持ってるんですっ)彼も人間だったのだなぁ…とつくづく思います。
‘93年に日山さんは、ジンサクと共にサプライズでCASIOPEAのステージに立たれたそうですね。日山さんという方は、人間ができているのですね…また、こみ上げてくるものがあります。
音楽と関係ない話で、ごめんなさいね。
いろいろと思うところを書いてくださりうれしいです。
日山さんの件ですが脱退はpesceさんの察する通りの自己申告なのかもしれません。事実そういう噂も耳にしたことがありますよ。
日山さんは本当にできたお方です。実力差を自覚していたからこそサポートに徹していたのでしょう。でもそんな日山さんがいたからこそパイオニアで3枚の名盤が残せました。マジで全ディスコグラフィで上位に上がってくるハイ・クオリティ。私は日山さんを名ドラマーと認めます。