
しかしCDのインナー・ジャケットの写真が『ACTIVE』の残り物とあっては,パイオニア側の主張も空々しい。
『MADE IN MELBOURNE』の姉妹盤=『WE WANT MORE』批評の中でも書いたが,選曲としては『WE WANT MORE』の方がいい。
『MADE IN MELBOURNE』の“売り”は,新リズム隊2人のソロが収録されていることである。(逆を言えば)ここしかない。
それは貴重な日山正明“唯一の”ドラム・ソロがうれしい。
日山正明のドラム・ソロの出来を神保彰や熊谷徳明と比べてはいけない。テクニシャン2人と比べなければそれはそれで楽しめる。
いや日山正明のドラム・ソロには【THE MARCH AT METRO】というタイトルが付けられている。これは曲なのだ。完全フリーで縛りのない神保彰や熊谷徳明とは違うのだ。実際,日山正明のドラム・ソロのバックで,野呂一生と向谷実が“合いの手”を入れているし(苦しい言い訳)。
一方,鳴瀬喜博が“ナルチョしている”チョッパー・ベースは“掛け値なし”に素晴らしい。
【AKAPPACHI−ISM】と連動する【THE BASS GREETINGS】は,タイトル通り,ナルチョ“名詞代わりの”チョッパー・ベース・ソロ。
【THE BASS GREETINGS】の素晴らしさを伝えるこんなエピソードがある。
友人との酒の席で好きなベーシストについての話題となった。その友人が「ダリル・ジョーンズ最高」と来たので(マイルス絡みで)マーカス・ミラーについて尋ねてみると「マーカス・ミラーは『ジャマイカ・ボーイズ』がクソだったから聴いていない」とのご回答。
そこでスーパー・ベーシスト=マーカス・ミラーの「セラビー・セレクション・マーカス・ミラー・ベスト」CDをお渡しすることを約束した。

“凄腕チョッパー・ベース・プレイヤー”としてのマーカス・ミラーの名演の中に,それとは告げずに,桜井哲夫と鳴瀬喜博のベース・ソロ・トラックを混ぜておいた。理由はその酒の席で発せられた「日本人ベーシストはどれも聞けたものではない」発言にカチンときたから…。
後日,その友人に感想を聞いてみると,管理人の狙い通り「マーカス・ミラー最高! 特にあのベース・ソロが最高!」と来た! 来た〜!
そのような訳でマーカス・ミラー最高,桜井哲夫最高,そしてナルチョも最高な『MADE IN MELBOURNE』をご一聴あれ。
01. FIGHTMAN
02. PASSIONATE VOLTAGE
03. FINAL CHANCE
04. NEW HISTORY
05. ONCE IN A BLUE MOON
06. TIME STREAM
07. THE MARCH AT METRO (Drums Solo)
08. AKAPPACHI-ISM
09. THE BASS GREETINGS (Bass Solo)
10. THE SKY
11. TOP WIND
12. MESSENGERS
(パイオニアLDC/PIONEER LDC 1994年発売/PICL-1070)
コメント一覧 (2)
しかも、裏面には曲目表記が一切無く、これって、あの映像のCD化?
それじゃ、先に出た「WE WANT MORE」の映像はいつ出るの? というか、こういう商売は本当にやめて欲しいと心から思いました。本当にワーナーという会社は!!
でも、車で聴くのには便利かも・・と言う事で、買ってしまった自分も情けない(^^;
文句ばかりの上記CDですが、意外と聴いてるんですよ。今でも通勤時にウォークマンでかけてます(笑)
「セラビー・セレクション・マーカス・ミラー・ベスト」のお話、とても楽しく読ませて頂きました。セラビーさんにとっては、まさに「してやったり!!」の世界でしたね。そうそう、日本にも沢山優秀なプレイヤーがいますからね♪
ワーナーにはパット・メセニー『イマジナリー・デイ』の3種類連発の前科もありますからね。商業音楽なのですから売れてナンボなのでしょうけど,アザトいのはご勘弁を。ワーナーのせいで?野呂さんまで嫌いになってしまいました?