
『BITTER SWEET』は,王道路線を歩み続けてきたカシオペアにしては貴重な“突然変異”作。
『BITTER SWEET』のタイトルは間違っている。『BITTER SWEET』ではなく『BITTER』が正しい。『ハーティ・ノーツ』を思わせる“アダルト路線の渋めの楽曲”が続いている。
脱「ポップクリエイティヴサウンド」を目指したためか,左耳から入った音がそのまま右耳から出て行く。やっぱりメロディが印象に残らない。
肝心の演奏力も『ドラマティック』以降耳についていた,ナルチョの“爆音歪みベース”の噴火が小休止して印象に残らない。実に真っ当な異色のベース・ワークは,次作『MAIN GATE』に向かうまでのサナギの段階であろう。

『BITTER SWEET』は,カシオペアの39枚の公式アルバム中,一番印象の薄いCDである。
01. GO ON!
02. PICK UP THE GOOD ONE
03. ACID RAIN
04. ROUGE
05. HARD WORKER
06. SENTIMENTAL THINGS
07. GIVE ME YOUR LOVE
08. SIDE WALK
09. IT'S A LONG STORY
10. TIGHT LINE
(パイオニアLDC/PIONEER LDC 2000年発売/PICL-1206)