
『ジャズ・ストリート~ザ・デュオ+』は,単なる企画ものとして捉えるには勿体無い,質の高いセッション集である。
5人のゲスト・ミュージシャン(ヴァイオリンの中西俊博,ベースの藤原清登,フルートの赤木りえ,ギター&ボーカルの中村善郎,テナー・サックスの川嶋哲郎)との豪華なデュエットは,そのどれもが名演と呼ぶにふさわしい。
初顔合わせの緊張感溢れる濃密なインタープレイ。エネルギッシュな個性剥き出しの“5人5様”の異なるトーンにピアノを合わせるアキコ・グレースの“引き出しの多さ”に脱帽である。
『ジャズ・ストリート~ザ・デュオ+』の,デュオには聴こえない多弁な音数は,ホスト役のアキコ・グレースのピアノが受けに回り,ゲストを彼女の狙った場所へと導き,自由なアドリブを引き出した結果。そう。全てのトラックにおいてアキコ・グレースの「自分のフォースの届く領域から絶対に逃がさない」という頑なさが感じられる。

事が全て終わった後に流れ出す,ボーナス・トラック【PULSE FICTION(TAKE-1)】の痛快さといったらもう…。
アキコ・グレースというピアニストは受けも一流。攻めは超一流である。
01. Cinema Paradiso
02. So Be It
03. Rain
04. When I Fall In Love
05. Straight No Chaser
06. Como Fue
07. Estate
08. Triste
09. My Soul
10. White Roses For You
11. Pulse Fiction (take-1)
(サヴォイ/SAVOY 2002年発売/COCB-53031)
(ライナーノーツ/杉田宏樹)
(ライナーノーツ/杉田宏樹)
コメント
コメント一覧 (2)
なんとなくで聞いていたJAZZでしたが、こんなにも詳しいレビューを見ることが出来るとは思っていませんでした!
じっくり読み込みたいと思います。
このような有益な情報を提供頂けるセラビーさんに感謝です。
これからも応援しています!
JAZZは何となく聞き流すBGMにもできますが聞き流すには余りにももったいないアドリブが聴きどころですよ~。
是非とも読み込まれた後には聴きこんで見てくださいねっ。