WHEELIN' AHEAD!-1 “ジャズ・ピアニスト塩谷哲アコースティック・ジャズ・トリオの第2作=『WHEELIN’ AHEAD!』。
 『WHEEL』=車輪。『ING+AHEAD!』=止まることなく前方へ回転の意。そう。『WHEELIN’ AHEAD!』は,前人未到のピアノ・トリオの世界を目指し,3人が乗り込んだ塩谷哲トリオ名義のスポーツカー。

 大排気量の山木秀夫ドラムをエンジンに,緩急自在の吉野弘志ベースをアクセルとして,テクニシャン・ドライバーのSALTピアノがハンドルを握っていく。いい感じに塩谷哲トリオが仕上がっている。

 ありきたりのジャズにはない3人の関係性から生まれる音世界は塩谷哲トリオならではの華やかさ。時にロック,時にクラシカルへと変貌するのは“司令塔”の山木秀夫ドラミング
 そう。塩谷哲トリオは,塩谷哲が“初めて他人に身を委ねた”ユニット。ゆえにプレイヤーとしての比重がいつになく高く“ジャズ・ピアニスト塩谷哲の“しなやかな”ピアノ・タッチが堪能できる。

 ただしその悪影響なのか,名作曲家としてのキラー・チューンは【FUN EXPRESS】1曲のみ。名編曲家としての顔も【TEEN TOWN】1曲のみ。

WHEELIN' AHEAD!-2 管理人の結論=『WHEELIN’ AHEAD!』は,超一流のジャズメン3人のぶつかり合いと3人の高次元の融合の両立が素晴らしいのだが,見事にまんべんなくまとまった全項目オール4の演奏。
 一項目3でもいいから一項目で5が欲しかった。もっとハミダソウヨ。 

  01. What a Wonderful World
  02. Teen Town
  03. Fun Express
  04. Mingle Jingle
  05. Another Tale of a Star
  06. Mr.D.F.
  07. Nighthawk
  08. La pluie
  09. Heat of Mind
  10. Mr.D.F. (refrain)
  11. Here, There and Everywhere

(ビクター/JVC 2004年発売/VICJ-61176)

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