
『WHEEL』=車輪。『ING+AHEAD!』=止まることなく前方へ回転の意。そう。『WHEELIN’ AHEAD!』は,前人未到のピアノ・トリオの世界を目指し,3人が乗り込んだ塩谷哲トリオ名義のスポーツカー。
大排気量の山木秀夫のドラムをエンジンに,緩急自在の吉野弘志のベースをアクセルとして,テクニシャン・ドライバーのSALTのピアノがハンドルを握っていく。いい感じに塩谷哲トリオが仕上がっている。
ありきたりのジャズにはない3人の関係性から生まれる音世界は塩谷哲トリオならではの華やかさ。時にロック,時にクラシカルへと変貌するのは“司令塔”の山木秀夫のドラミング。
そう。塩谷哲トリオは,塩谷哲が“初めて他人に身を委ねた”ユニット。ゆえにプレイヤーとしての比重がいつになく高く“ジャズ・ピアニスト”塩谷哲の“しなやかな”ピアノ・タッチが堪能できる。
ただしその悪影響なのか,名作曲家としてのキラー・チューンは【FUN EXPRESS】1曲のみ。名編曲家としての顔も【TEEN TOWN】1曲のみ。

一項目3でもいいから一項目で5が欲しかった。もっとハミダソウヨ。
01. What a Wonderful World
02. Teen Town
03. Fun Express
04. Mingle Jingle
05. Another Tale of a Star
06. Mr.D.F.
07. Nighthawk
08. La pluie
09. Heat of Mind
10. Mr.D.F. (refrain)
11. Here, There and Everywhere
(ビクター/JVC 2004年発売/VICJ-61176)
コメント一覧 (2)
山木さん凄いです。ソルトも圧倒されています。でも多分,笹路さんも清水さんも香津美さんもソルトも山木さんに自由に叩かせていると思います。手玉に取られているようで逆に手玉に取っている? 是非真意を確かめてみてくださ~い。