
コンセプトは塩谷哲が切り開く“フューチャー・ジャズ”。塩谷哲との共同プロデュースにクラブ系の田中義人を迎え,ヒップホップ,ラテンなど多彩な音楽要素を取り入れたポップ・センスあふれるサウンドとSALTのピアノとのアート感覚が融合している。
正直,こんな感じの塩谷哲が聴けるとは夢にも思わなかった。田中義人に“フューチャー・ピアニスト”塩谷哲が発掘されている。新鮮味に溢れたピアノの響きが充満している。SALTのピアノが田中義人のギターのディストーションとシンクロする瞬間の快感がたまらない。
『グイードの手』は,打ち込みを多用した“フューチャー・ジャズ”狙いなのに,ベースだけはエレキではなく全編ウッド・ベース。ただし“そんじょそこらの”ウッド・ベースとは思うなかれ。
平石カツミの倍音ウッドが曲者。エレキ並みの生命力。この平石カツミの倍音ウッドが『グイードの手』で感じる,最先端のクラブ・サウンドのはずなのにアコーステイックの香りが残る“ミステリアスな響き”の秘密。
【INTRODUCTION】→【ACCORDING TO LA METEO】での「静から動」へ振れ具合が最高にエキサイティングで悶えてしまう。【MR.TAP−MAN】のファンキー・グルーヴ・ライブに悶えてしまう。【YESTERDAY】の斬新過ぎる名アレンジに悶えてしまう。
…と思えばラスト4曲のスロー・ナンバーで感じる,何とも柔らかな肌触り。心の底から和んでしまう。

01. Introduction
02. According to la meteo
03. Doodle I
04. Mr. Tap-man
05. Yesterday
06. Evening Haze
07. Doodle II
08. Skinny-Dipper
09. Parkside Street
10. Azami
11. Enharmonie
12. 4→0→10→5
13. Calm
(ビクター/JVC 2006年発売/VICJ-61347)
コメント一覧 (4)
「と思えばラスト4曲のスロー・ナンバーで感じる,何とも柔らかな肌触り。心の底から和んでしまう」には同感です。特に【4→0→10→5】が好きですが、これって何て発音するのでしょうね。ご存知でしたら教えてください。お願いします。
【4→0→10→5】は【88+∞(EIGHTY EIGHT PLUS INFINITY)】のような暗号系のタイトルですが【知床】と読みます。解読できると?妙に納得。確かに北海道しています。続く【CALM】との流れで眠りに落ちそうになります。ラスト4曲はソルトからの“安眠ソング”ですよねっ。
このCD、とても素敵です。
まるで、おもちゃ箱のように次から次へと多彩な曲が飛び出てきますね!
実はレンタルで、今日借りてきたばかりでして。。
セラビーさんのレビューを読んで、興味を持ち、どうしても聴いてみたくなったのです。
今回はギターの田中義人とのコラボ作品のような感じになってますね。
その分、ソルトの多彩な才能が、彼によって更に引き出されてるように感じます。
レビューを読んで聴いてみたくなったって。最高の褒め言葉をありがとうございます。このコメントで有頂天になりました。
ソルトはワン・アンド・オンリーなタイプですので田中義人に触発された『グイードの手』の異色っぷりがクセになります。
正しく「おもちゃ箱」ですねっ。この表現いただきです。