
「超絶技巧集団」のレッテル正しく,とにかく激しく,しかしいつものクール・テイストで弾きまくっている。
このように書いてしまうと高速ユニゾン大炸裂と思いきや,それだけではない。ファンクやブルースの文脈でのアドリブの連発であり,3人のソロ・パートの譜面割りが初期DIMENSIONでは一番の長尺である。これがいい。
青木智仁のベース・ソロと石川雅春のドラム・ソロも“ちょいちょい”挟んでくる。起承転結のあるアドリブからの更なる“崩し”が超カッコイイ。
このアドリブの連鎖反応=アドリブのバトン・タッチで曲が進行しているかのように思わせておいて,最後にきっちりまとめ上げる構築美は,基本ジャズ・ロック=小野塚晃濃度が高めである。
勝田一樹のメロディに乗った【PARABLE】&青木智仁と石川雅春のビートに乗った【PARALLEL WORKS】で“仕掛ける”増崎孝司のギター・ソロが,いつ聴いても“鳥肌モノ”である。
さて,長らく『SIXTH DIMENSION “LIVE”』への“ベスト盤的な世評”と『SEVENTH DIMENSION』での“ハイ・テクニック主義”に隠され,惑わされてしまっていたが『SEVENTH DIMENSION』のメロディ・ラインは『SECOND DIMENSION』から『FIFTH DIMENSION』までの流れを受けた「近未来フュージョンユニット」期の,真に一つの到達点だと思う。

【BIRD ISLAND】でのジャズ・アプローチと【LEGGY】でのクラブ・ジャズ・アプローチ。そして異色のキラー・チューン=クルセイダーズの【KEEP THAT SAME OLD FEELING】でのダンサブルを置き土産に「近未来フュージョンユニット」期は終了。
『EIGHTH DIMENSION』から,DIMENSIONの十八番“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期へと突入していく~。
01. Cricket Smoker
02. Double Vision
03. Grey Jazz
04. Bird Island
05. Parable
06. Parallel Words
07. Leggy
08. T.A Jingle
09. Keep That Same Old Feeling
(BMGルームス/BMG ROOMS 1996年発売/BMCR-7005)
コメント一覧 (2)
ホント、ディメの要素がギッシリ詰まっていて、いつ聴いても興奮してしまいます♪
このハイペースリリースには、本当に驚かされましたが、クオリティーの高さは段々と上がっていきますね。恐ろしいバンドです(^^;
華麗なアンサンブルと、超絶ソロの応酬・・でも、ボクの中でのナンバーワンはこのアルバムではないのです。
それは、後ほどコメントで(^^)
『7th』が好きなんです。『7th』の後にすぐ名盤『8th』が出たので聴き込むチャンスを逸したことを後悔してしまうくらい好きなんです。
でもこう書きながらも次から次へと新作を発売しそのどれにも夢中になってしまういますのでディメの最高傑作は最新作ということにしています。
風の少年さんのナンバーワン。後ほどのコメントを楽しみにしていますよっ。