
【IF】こそ,ファン投票第1位な,自他共に認めるDIMENSIONの代表曲。【IF】こそ,DIMENSION“珠玉の”バラード。DIMENSION=【IF】の図式に管理人も異論はない。
しかし,しかしである。DIMENSION=【IF】の図式はどうにもミスマッチな気がする。本来のDIMENSIONの魅力は「超絶技巧」な【BREAKOUT】ではなかろうか? あるいは,軽快&爽快なドライビング・メロディアス【SE.LE.NE】?
どちらにしても,ギンギンでバカテクが売りのDIMENSIONの代表曲がバラードとはミスマッチな気がしてならない。
このミスマッチ感が漂うのは【IF】収録の『IF 12TH DIMENSION』でも同じ。
アルバムの5曲目(中央)にデンと座っている【IF】。しかし【IF】の前後はハイパー・トラック【UNDER THE WORLD】【WALKIN’】である。
そう。『IF 12TH DIMENSION』の中の【IF】が“圧倒的音圧”に押されている。それくらいに『IF 12TH DIMENSION』全11曲の完成度が高いのだ。う~む。
『IF 12TH DIMENSION』の特徴は「ソリッド・サウンド」! 実にデジタルっぽい。最先端っぽい。ユーロ系やハウス系? 録音のせいなのか,妙にビビッド感が強調された“きらびやかで無機質で硬質な”サウンドである。
きっとDIMENSIONの3人とも『IF 12TH DIMENSION』の出来に大満足のことだろう。凝りに凝りまくっているなぁ~。
そんな硬派で全力投球な演奏の連続の中で流れ出す“ヒューマンな”【IF】。【IF】のハートフルなメロディとエモーショナルなビート。このディメンション・マジックにマジ感動で心が震えてしまうのだ。

恐らく,管理人は人生の節目節目で【IF】を聴き【IF】と共に年を重ねていくのだろう。元○○と【IF】を聴き,人生の様々な【IF】な場面を語り合う。
その時に聴く【IF】は,今の【IF】の何倍も感慨深い【IF】だろう。【IF】と共に,いい年を重ねていきたいと思っている。
代表曲がバラードでもいいではないか! やっぱりDIMENSIONと来れば【IF】である。【IF】以外には務まらないと思う。
思えば,カシオペアの【ASAYAKE】も全曲名演な『MINT JAMS』収録トラック。T-スクェアの【TRUTH】も全曲名演な『TRUTH』収録トラック。フュージョン・バンドの代表曲は全曲名演なアルバムと共に生まれるものである。
01. DOUBLE MARKET
02. BLACK STREET
03. COLLAGE OF WATER
04. UNDER THE WORD
05. IF
06. WALKIN'
07. WORLD ORDER
08. IMPRESSIONS FROM THE OUTSIDE
09. REFLEX
10. L-MOTION
11. WIGGLED OUT
(BMGルームス/BMG ROOMS 1999年発売/BMCR-7036)
コメント一覧 (4)
IFは美しい名曲ですよね・・
ジャケットにも大きく書かれていて、この曲の重要性が感じ取れます。
パワフルでキメの多い曲も大好きですが、ステラと同様に、こういうバラードもディメの魅力ですよね♪
>フュージョン・バンドの代表曲は全曲名演なアルバムと共に生まれるものである・・ボクもそう思います。
名曲とは名曲になる運命を背負って誕生してくる物なのかも・・考え過ぎかな??
『12th』なら【DOUBLE MARKET】【REFLEX】【WORLD ORDER】【WIGGLED OUT】なんかも好みですが、セラビーさんの批評正しく『12th』は【IF】を「聴かせる」ためにコンパイルされていると思います。
【IF】なくして『12th』は、そしてディメンションのライブは成り立ちません。【IF】は水戸黄門の印籠のような存在だと思います。
「【IF】は水戸黄門の印籠のような存在」には同感です。勝田さんのアルトが一音響けばそれでもう満足しちゃいますものね。
オール4番打者の金満巨人軍が『7th』『9th』なら『12th』は柴田や土井や高田や森のいるON時代の巨人軍。
私も【IF】を「聴かせる」ためにコンパイルされているための【WALKIN’】【WORLD ORDER】は『12th』を語る上で外せないと思いますよっ。
「名曲とは名曲になる運命を背負って誕生してくる物なのかも」には同感です。
【IF】も【STELLA】【CLOSE TO YOUR HEART】のDNAがあってこその誕生ですよね?
「超絶技巧集団」の代表曲がバラードとは自分でも意外に思いますがこのレビューを書いていて得心した次第です。