LONELINESS-1 いや〜,聴きやすい。『11TH DIMENSION “KEY”』以来の聴きやすさ。管理人はこんなDIMENSIONを待っていた。
 いい感じのDIMENSION。これがDIMENSION17th=『LONELINESS』(以下『ロンリネス』)を耳にした素直な感想であった。

 この聴きやすさの理由はDIMENSION初のカヴァー・アルバムにある。
 過去にも5thの【AQUARIUS】。7thの【KEEP THAT SAME OLD FEELING】。8thの【GEORGY PORGY】などのカヴァー曲があったが「カヴァー・アルバム」と自ら宣言するのは『ロンリネス』が初。理由は「たくさんの人に聴いてもらうため」のカヴァーなのだそう。

 しかし『ロンリネス』を単なるカヴァー・アルバムと侮るなかれ。『ロンリネス』にはDIMENSIONの“らしさ”が他のオリジナル・アルバム以上に濃厚!

 カヴァー曲という入りやすさに近づいたが最後,グイグイとDIMENSION・ワールドに引きずり込まれてしまう。そう。『ロンリネス』は“カヴァーを超えまくった”DIMENSIONのオリジナル作である。DIMENSION濃度の高いエキスがビンビンに漏れ出す“極上の”オリジナル・ラインアップ入りな大名盤である。

 『ロンリネス』収録の「洋楽6+邦楽1=全7曲」のカヴァー・ナンバーは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人がリスペクトしたアーティスト,レコーディングに参加したアーティストのリアレンジ。
 【IRONSIDE】【WALKING ON THE MOON】【GOOD−BYE MY LONELINESS】【WONDERFUL TONIGHT】【ARTHUR’S THEME(BEST THAT YOU CAN DO)】【<HISTORIC MEDLEY>PURPLE HAZE〜CHAMELEON〜ELECTRIC CITY】【SO FAR AWAY】が,DIMENSION・マジックでリアレンジ。素晴らしい。

 特筆すべきはDIMENSIONのメイン・ボーカリスト勝田一樹サックスである。
 勝田一樹サックスが鳴れば,すぐにDIMENSIONだと分かる個性を感じてしまう。もはや勝田一樹サンボーン・チルドレンではない。デヴィッド・サンボーンと肩を並べるレベルにまで到達している。
 【IRONSIDE】【WONDERFUL TONIGHT】ではファンキーに【ARTHUR’S THEME(BEST THAT YOU CAN DO)】【SO FAR AWAY】では情感たっぷりに泣いている。
 サックスで見事に踊り歌っている。トラック毎に異なる世界観をイマジネーション豊かに表現してみせている。勝田一樹は素ん晴らしい“ボーカリスト”だと思う。

LONELINESS-2 『ロンリネス』収録の「全4曲」のオリジナル・ナンバーがいい。名曲揃いのカヴァー・ナンバーの合間に挟まれたオリジナル・ナンバーが“絡みついている”!
 カヴァー・ナンバーはDIMENSIONっぽく,DIMENSION・ナンバーは洋楽っぽく…。
 洋邦新旧でジャンルも曲調もバラバラな『ロンリネス』全11トラックの統一感はお見事の一言!

 正直,DIMENSIONの新作がカヴァー・アルバムだと知った時は,ガッカリした自分がいたものだが『ロンリネス』を聴いた瞬間,歓喜する自分に気付いた。
 そう。世界のフュージョン・バンドを見渡してものロンリネス』のようなカヴァー・アルバムは,DIMENSIONにしか作れない。
 もはやDIMENSIONは何を演ってもDIMENSIONの音がする唯一無二のフュージョン・バンド。DIMENSIONは管理人の“誇り”である。

  01. lronside
  02. Walking On The Moon
  03. Respectacls
  04. Dancer In The Light
  05. Good-bye My Loneliness
  06. Southside On Oneseventeens
  07. Wonderful Tonight
  08. Arthur's Theme (Best That You Can Do) "New York
     City Serenade"

  09. Vanity Story
  10. Purple Haze - Chameleon - Electric City
  11. So Far Away

(ザイン/ZAIN RECORDS 2004年発売/ZACL-9005)

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