
カラフルでポップな赤と黄色のCDジャケットに“期待膨らむ&血が騒ぐ”『MY RULE』のキャッチ・コピーは「日本最高峰のインストゥルメンタルグループDIMENSION,ニューアルバム登場! 結成15周年を迎え円熟味を増した,メロディ際立つそのサウンドは,まさにDIMENSIONの過去〜未来を繋ぐ最高傑作!!」。
そう。『IMPRESSIONS』では「過去〜未来を繋ぐ」シナプスの芽が言わば「成長途上」であったが『MY RULE』で「過去〜未来」の接続が大完了。
『IMPRESSIONS』の拡大路線上に位置する『MY RULE』の音・音・音! 大充実のDIMENSIONサウンドの“てんこ盛り”である。
『MY RULE』を聴いていると,ほどよい興奮とほどよいリラックスに包まれていく。これぞ「結成15周年を迎え円熟味を増した,メロディ際立つそのサウンド」のコピー通り。パッと聴いてもいいし,じっくり聴き込んでもいい。15周年の積み重ねが産み落とした大名盤の誕生である。
ちょうど同時期発売のT−スクェアの『33(THIRTY−THREE)』との相乗効果? 『33(THIRTY−THREE)』と『MY RULE』に明け暮れる毎日。中年を迎えて久々にJ−フュージョンを聴き漁る毎日。
もう頭の中はT−スクェアとDIMENSION一色の“お花畑”であった。若気の至りならぬ,中年の至り?
『33(THIRTY−THREE)』の魅力が,河野/坂東組の「新サウンド・カラー」にあるのなら『MY RULE』は「伝統のサウンド・カラー」の進化系!
『MY RULE』こそ,伝統のDIMENSIONサウンドの「万華鏡」である。多彩な楽曲群が,増崎孝司+小野塚晃+勝田一樹の3人の個性で“埋め尽くされている”!
この3人の個性が「万華鏡」を覗くたびに,煌びやかに華やかに,絶妙のタイミングで顔を出す。DIMENSIONの3人が,自分が前に出る部分と他のメンバーを惹き立たせる部分とをわきまえている。「おお,ここでこう来るか〜」な予想外のアドリブにDIMENSIONの「引き出し」の多さに驚愕してしまう。

そして『MY RULE』のハイライトはラストの【INTOXICATION】。神曲3曲も含めて全てのおいしいところをかっさらっていく! これぞいかにもDIMENSION的なDIMENSIONワールドのハイライト・トラック! 勝田一樹のテナー・サックスを含めて超・超・カッコエエ!
ちょっと無機質っぽくも感じる高度なエレクトリックな響きに,どうにも絡みつくヒューマンでアコースティックな香りが『MY RULE』であり『ディメ・ル−ル』! 素晴らしい!
ただし管理人は『MY RULE』をDIMENSIONの最高傑作とは呼ばない。理由は勝田一樹のアルト・サックスの“ワイルド系”な汚れた響き。特にブローがラフすぎ&崩しすぎで,デヴィッド・サンボーンを通り越し伊東たけしを彷彿とさせる瞬間がある。うーむ。
しかし,それでも,やっぱり? 管理人は『MY RULE』をDIMENSIONの準・最高傑作に推薦します。
カツオが減点1であっても五つ星な管理人の愛聴盤です。
01. Never
02. Message from you
03. Cross Point
04. Travels in the blue
05. Arise
06. My Rule
07. Lost In Language
08. Secret Walk
09. Raining In Your Heart
10. Intoxication
(ザイン/ZAIN RECORDS 2007年発売/ZACL-9012)
(デジパック仕様)
(デジパック仕様)
コメント一覧 (2)
なので、レビュー興味深く読ませて頂きました。
MY RULE・・セラビーさんにとって、ゾッコン盤のようですね!
近いうちに、友人に借りて聴いてみようと思います。
そうですか〜「33」と同時期のアルバムなんですね。
そういえば、セラビーさんは「33」も絶賛でしたね。ということは、2007年は、とても幸せな一年だったという事ですね!
『MY RULE』。まだ未聴とは残念ですよ〜。友人に借りしてでも聴いてみてください。『9th』とは作りが違いますが「絶対興奮盤」間違いなしです。
豊作の2007年。自覚症状はありませんでしたが,とても幸せな一年だったのかな〜。2011年となっても『33』『MY RULE』を聴くと幸せな気分が続きます。