20 -NEWISH-1 結成15周年第二弾にして20枚目の『20 −NEWISH−』は,DIMENSION久々の微妙盤。一体何が微妙なのか?

 まずはDIMENSIONとしては初共演のリズム隊。ベースクリス・ミン・ドーキードラムライオネル・コーデューの大物外国人の参加である。
 何で突然DIMENSIONクリス・ミン・ドーキー? 実はクリス・ミン・ドーキーDIMENSION全面バックアップのアンナケイのお友達なのだそうで。なるほど。

 大物外国人リズム隊の実力は認めつつも,やっぱりDIMENSIONのリズム隊は青木智仁石川雅春だと思っている管理人には『20 −NEWISH−』限定のクリス・ミン・ドーキーライオネル・コーデューは何かが違う。
 要因としてはDIMENSION初の海外録音というのもあるかもしれない。NYのタイトでソリッドなリズムは存在感が薄い。大物ゲストとして参加した割りにはバック・ミュージシャンにしか聴こえない。

 もっと言おう。管理人にとっての『20 −NEWISH−』は【CUT TO THE COOL】【I WILL】【FAR FROM HERE】【LIFE】の4曲であって,このうち3曲が小野塚晃の打ち込みである。いっそのこと全曲打ち込みの方が“しっくり”きたのでは?

 いえいえ『20 −NEWISH−』が微妙盤なのは,何もゲストのリズム隊のせいではありません。かなり曲調を,いじってきた&いじりすぎ,のせいなのです。
 『20 −NEWISH−』の楽曲はバラエティに富みすぎたか? 一応,前半はイケイケ&後半はスムーズ・ジャズと括られてはいるがアルバム全体の展開がどっちらけ。曲が進むにつれどんどん音楽性が深くなりアダルト路線になっていく=「DIMENSIONの15周年の音表現」しているのか?

20 -NEWISH-2 『20 −NEWISH−』=「DIMENSIONの15周年の音表現」の象徴がDIMENSION初のセルフ・カヴァー【JAZZ CIGARETTE(15TH ANNIVERSARY VERSION)】!

 一聴した限りでは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の変化よりも,青木智仁石川雅春組からクリス・ミン・ドーキーライオネル・コーデュー組への変化の幅が大きく分かり辛いが,聴き込むにつれDIMENSIONのバンド・サウンドの進化を実感させられる。
 ジャズ・ファンク度が増しているのに,カラフルな風味が絞られた「渋い大人の」リアレンジである。やっぱりさすがに微妙盤!

  01. NEWISH
  02. Black Code
  03. Cut To The Cool
  04. Things Never Change
  05. I Will
  06. Returns
  07. Out Off This Sky
  08. Far From Here
  09. Life
  10. Be My Wind
  11. Jazz Cigarette (15th Anniversary version)

(ザイン/ZAIN RECORDS 2007年発売/ZACL-9019)
(ライナーノーツ/工藤由美)
(デジパック仕様)

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