22-1 『22』のDIMENSIONが「若々しい」。パワーみなぎる&溢れ出る=ハイエナジーな構築美の「音の万華鏡」である。

 『22』のCD帯に「バンド史上最も激しく叙情的なマスターピース。バンド史上最も攻撃的でポジティブ」の文字が躍っている。そして『22』のジャケット写真がおっしゃっれ。3人共,組んだ足が異様に長〜い。下からのカメラ・ポジション? フォトショ大活躍?

 そう。『22』のテーマは“イメチェン”である。DIMENSION伝統の“メロディー重視”が破られ,とにかく押しの一手。グルーヴ押しのメロディー後付け路線。DIMENSION円熟の演奏にメロディーが“遅れて乗っかってくる”感覚が残る。
 加えてDIMENSION初となるアルバム通してのバラードなし。美メロとバラードを封印した“イメチェン”の印象は「若さ」。とにかくエネルギッシュにグルーヴするアドリブがサビを奏でている。

 ただし,音の重心は低い。『22』でDIMENSIONと共にグルーヴを産み出すリズム隊は,ベース川崎哲平ドラム則竹裕之江口信夫吉田太郎の3人(そうは言っても江口信夫は1トラックのみ。吉田太郎は新顔だし,DIMENSIONのゲスト正ドラマーの座は則竹裕之シフト中です)。
 『22』の「サビ抜き&メロディー抜き」の楽曲群と相まって,リズム隊の2人がフロントの3人に追いつき,追い抜く瞬間がある。厚くシャープばボトムが刺激的である。

22-2 『22』を象徴する2トラック【GROOVE IT】【HIGH BROW】。【SILVER RASH】【MY STUPID IMAGINATION】【KIND OF DOUBT】はエッジの効いたフュージョン・スタイル。爽やか系の【INNOCENT HEART】【FINE】。緊迫系の【BLACK TRAIN】【BITTERSWEET DAYS】。ダンサブルな【WHY】。実にカラフルな「音の万華鏡」期。

 『22』が放つエネルギーを受け止めるには力が要る。増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人は若返った。
 『22』を正面から受け止められない管理人は只今筋トレ中。リスナーも若返る『22』は筋トレBGM?

  01. Groove It
  02. Silver Rash
  03. My Stupid Imagination
  04. Innocent Heart
  05. Black Train
  06. Kind Of Doubt
  07. Fine
  08. Why
  09. Bittersweet Days
  10. High Brow

(ザイン/ZAIN RECORDS 2009年発売/ZACL-9035)
(デジパック仕様)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)