
SBMの実力を世に知らしめるべき選ばれた広告塔が,解散から7年経っていた“我らが”ナニワ・エキスプレス。
そんな「大人の事情」から,伊藤八十八の“鶴の一声”で発売されたのがナニワ・エキスプレス2枚目となるベスト盤『RED ZONE 〜SBM BEST SELECTION〜』(以下『レッドゾーン 〜SBMベスト・セレクション〜』)。
解散直後に発売されたナニワ・エキスプレス既存のベスト盤『スカーレット・ビーム』とは異なる(差し替えられた)『レッドゾーン 〜SBMベスト・セレクション〜』の選曲に,ナニワ・エキスプレス解散から7年の“時の流れ”を感じてしまった。
バンド解散後の7年間のメンバー各自のソロ活動での活躍ぶりがナニワ・エキスプレスそのものの評価にまで変化を生じさせてきた。
ナニワ・エキスプレス一番の“売れっ子”となった東原力哉の活躍ぶりが,いつの間にかナニワ・エキスプレスを「ナニワ・エキスプレス・フィーチャリング・東原力哉」へと変えてしまった。東原力哉がかつて在籍していたフュージョン・バンド=ナニワ・エキスプレスの紹介文。
「う〜ん。それでいいのか?」との疑問が残る反面,その紹介文に納得してしまう自分もいる。この「納得してしまう自分」の存在に7年もの月日を感じてしまう。
メンバー5人が4番バッター狙いのナニワ・エキスプレスの中にあって,実力で4番に座ったのは“和製トニー・ウィリアムス”な東原力哉。ナニワ・エキスプレスのボトム・リーダー兼MC“永ちゃん”清水興は3番サードで監督兼務のプレイング・マネージャーだったと思う。
ちなみにこの話の展開でナニワのメンバーで打順を組むと,1番打者の切り込み隊長には,鮮やかチョーキングな岩見和彦。器用な2番打者にはサックス&キーボードの両刀な青柳誠。長距離砲の5番打者には中村健児の「ケンジーター」。これで決定+異論は受け付けておりません。
そういうことで?東原力哉のドラムを中心に『レッドゾーン 〜SBMベスト・セレクション〜』を聴いてみると,東原力哉のドラムを起点として放射線状に爆発が起こっている。そう。ナニワ・エキスプレスの中心は東原力哉で間違いない。
素足のワンバス,シングルペダルに3フロアのトニー・ウィリアムス・セットの限界を越えた速度と重さ。人間離れした東原力哉の大迫力がナニワ・エキスプレスのイメージそのもの。
思うにカシオペアのタイトなイメージは神保彰であり,スクェアの歌バンのイメージは長谷部徹のイメージである。パット・メセニーが言い切っているように,バンドのカラー=ドラマーなのだ。
その意味で(【INSIDE OF YOU】【EMERGENCY】【NIGHT FLOWER】が欠けているが)東原力哉の“コテコテでド派手な”ドラミングを集めた『レッドゾーン 〜SBMベスト・セレクション〜』こそ,ナニワ・エキスプレスのスーパー・ベスト。

カシオペアのライブと来れば【朝焼け】と【ドミノ・ライン】。スクェアのライブと来れば【イッツ・マジック】と【トゥルース】。そしてナニワのライブと来れば【ビリービン】と【ジャスミン】。ナニワのFMライブ放送でも必ず流れた【ビリービン】と【ジャスミン】。
「ザ・岩見和彦」なギターのテーマが最高な【ビリービン】と【ジャスミン】をスタジオ録音で楽しめる。この誘惑に負けて購入したのが『レッドゾーン 〜SBMベスト・セレクション〜』。
おかげで【ビリービン】収録の『ノー・フューズ』と【ジャスミン】収録の『ワインド・アップ』の購入意欲が萎えました。
あっ,購入意欲が萎えたのは「20ビット・スーパービットマッピング(SBM)」の高音質のせいにしておいてくださ〜い。
01. ORIENTAL MAKIN' LOVE
02. YELLOW ART
03. CHARCOAL BREAK
04. BETWEEN THE SKY AND THE GROUND
05. BELIEVIN'
06. THE KOYA-SAMBA
07. FOR MY LOVE
08. RED ZONE
09. JASMIN
10. MIL' MAMA
11. THE LADY OF TOLEDO
12. LAZY FANTASY
(ソニー/SONY 1993年発売/SRCL2588)
(ライナーノーツ/成田正)
(ライナーノーツ/成田正)
コメント
コメント一覧 (6)
you tubeで偶然聴いたのですが、とてもフュージョンしてますね!
ナニワは詳しく知らなくとも,フュージョンの特徴=きっとどこかで耳にされていることと思いますよ。うむ。そんなことないのかな。ナニワはうるさいので。
爽やか系の【ビリービン】はディメンションの【IF】のような立ち位置です。
当時17才だった僕はぶっ飛んでしまい、当時27才だった東原力哉氏をどれだけかっこよく思ったか!
【オリーノ】は大好きです。ナニワのライブでは今でも演奏されているみたいですね。
次郎長さん推しの東原力哉も素晴らしいですが私的には中村健児がヒーローです。
以上『ワインドアップ』未聴のトホホ者でした。
オリジナルがオリジナルたる所以、ベストテイクへと昇華させるプロデューサーの手腕を見た!!
himebowさんは『フレッシュ』と『クール』の2枚とも購入されたのですね。
私も早く2枚買いして「オリジナルがオリジナルたる所以、ベストテイクへと昇華させる」伊藤八十八の手腕を見たいと思います。
今日は体調不良で数年ぶりに仕事早退してきたのです。天神タワレコ行けてません。