PETITE FLEUR〜AMAPOLA-1 『ドリームダンシング』で決心した,寺井尚子の極意「トラック買い」。

 『PETITE FLEUR〜AMAPOLA』(以下『小さな花〜アマポーラ』)のお目当ては【マイ・フェイヴァリット・シングス】。
 ジョン・コルトレーン名演が有名すぎる【マイ・フェイヴァリット・シングス】だが,管理人の全ディスコグラフィから推測するに優に三桁のジャズメンが演奏している大スタンダードには,管楽器や鍵盤楽器の名演が目白押し。ここは寺井尚子に弦楽器の「決定的名演」を期待したい?

 そんな【マイ・フェイヴァリット・シングス】が良かった。寺井尚子ヴァイオリンも素晴らしいが,管理人がベタボメしたくなったのは寺井尚子のバンド・サウンド。
 北島直樹ピアノ中沢剛ドラムが抜群である。邪魔せず&引っ込まずの,もうこの2人は寺井尚子の身体の一部と化している。

 『ジェラシー』で感じた“コンパクトなのに雄大な”アダルト路線が進化し深化している。こんなにバランスの取れた【マイ・フェイヴァリット・シングス】は1年前では想像できなかった。
 寺井尚子が彼女独特のメロディを紡ぎ出す瞬間,ここが聴き所だとさりげなくアピールし挑発してくる北島直樹。いや〜,謎が解けた瞬間の“気分爽快”アドレナリンの大放出である。この成熟ぶりは恐ろしい。

 『小さな花〜アマポーラ』は,叙情的でロマンティックで,朝に聞いたら「骨抜き」にされそうで仕事にならない。このままうっとりと聴き惚れていたい。寺井尚子ヴァイオリンにマジ“癒し”を求めてしまう。
 『小さな花〜アマポーラ』の寺井尚子は灰汁が抜かれている。まろやかなヴァイオリンの音色が胸に染み渡っていく。あぁ〜。

 なんと!ジャズ以外の演奏に関心のない管理人が“不覚にも”【アマポーラ】と【トリステーザ】で感動してしまった。
 自分でも何なのかよく分からない感情。何なの? 悶々としながら流れるラスト2トラックの【パーディド】と【アマポーラ(ショート・ヴァージョン)】で元気が出る。何なの? いつもの寺井尚子よりおとなしめの演奏なのに内蔵に来る新感覚。一体何なの?

 管理人は考えた。そして今はこう思う。寺井尚子を追いかけて5年。ついに管理人も寺井尚子の家来になれた。
 北島直樹中沢剛には到底及ばない。しかしこの距離感は寺井尚子のすぐ側にいて,彼女の鼓動や息遣いを感じているかのよう…。( ちょっとしたホラーですね。すみません )

PETITE FLEUR〜AMAPOLA-2 これからは管理人も“女王蜂”寺井尚子に奉仕いたします。尚子様が出演中の「キンチョウ蚊取り線香」のごとく末永くお供させていただきます。
 寺井尚子随一の“しっとり&うっとり”『小さな花〜アマポーラ』の甘い媚薬に“ボロボロ”にされてしまいました。寺井尚子の病魔に冒されてしまいした。お蔭様で毎日がハッピーです!

  01. AMAPOLA
  02. MY FAVORITE THINGS
  03. THE MAN WHO INVENTED JAZZ
  04. SPLEEN
  05. TRISTEZA
  06. PETITE FLEUR
  07. GOOD LUCK
  08. TWILIGHT
  09. PENT UP HOUSE
  10. I REMEMBER MONTPARNASSE
  11. TERRA
  12. PERDIDO
  13. AMAPOLA (short version)

(東芝EMI/SOMETHIN'ELSE 2008年発売/TOCJ-68077)
(ライナーノーツ/藤本史昭)
CD−EXTRA仕様:【アマポーラ(ライヴ映像)】

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