
その渦中に発売された野呂一生のソロCD『TOP SECRET』。
『TOP SECRET』は購入さえもしなかった。その流れでそれまで完全コンプリートだったカシオペアの『LIGHT AND SHADOWS』をパス。ついに訪れた管理人とカシオペアの蜜月関係の破綻の日。
『TOP SECRET』を手に入れたのは,実は4,5年前ぐらいかな。「CASIOPEAからの大事なお知らせ」から,しばらく経ったある日のこと。ふと未聴だった『LIGHT AND SHADOWS』と共に野呂一生のソロCDが聴きたくなりアマゾンで「ポチッ」。
ここで早めの登場。管理人の結論。『TOP SECRET』批評。
ああ,聞かなきゃよかった『TOP SECRET』。この時期の野呂一生は人生初のスランプではなかったろうか?
『TOP SECRET』の演奏はいい。でも音楽ではないんだよなぁ。ギター・フュージョンではないんだよなぁ。
『TOP SECRET』は野呂一生渾身の力作。売りは野呂一生の華麗なるオーバー・ダビングによるソロ演奏(ベースとドラムは基本打ち込み。4曲の生ドラムとパーカッションは除く)。
ホーンっぽく聴こえるのも鍵盤っぽく聴こえるのも全部が野呂一生のギター・シンセ。上手いんだが,単音一発のギター・シンセが主役であるはずのエレキ・ギターと被ってしまう。バックがリードを邪魔している。
打ち込みのリズムも単調でノリとかグルーヴはさっぱり。思うに『TOP SECRET』のアルバム・コンセプトは野呂一生の“エゴ”=全編ギター・シンセのソロCD。「僕ちゃん,こんなのも作れちゃうもんね」的なゴーマニズムな実験作。
ここがスランプの要因。【GET MOVE】【EARLY BEGINNING】は名曲。いや,名曲に聴こえるのは神保彰の生ドラムのせい?
やっぱり野呂一生の美メロはバンドにかけて聴かせてほしい。正直『TOP SECRET』の“薄い演奏”では興奮を覚えない。

『TOP SECRET』には「TOP SECRETをパソコンでお楽しみいただくために」と題された
● MUSIC CD PLAYBACK「野呂一生が描いたオリジナル・ピクチャーをバックにCDを聴く」
● STUDIO SETTING「レコーディング時の機材の接続や設定値などを,それぞれの曲とタイミングに応じてビジュアルに見ながらCDを聴く(全10曲/プレイバックに同じ」
● THE ISSEI MODELS「レコーディング時に使用した4本のギターのサウンド&ムービーを楽しむ」
● MIDI PLAYBACK「MIDIデータによるプレイを聴く。3曲ともGS用とXG用の2種類のデータを用意。(各トラックのパート名/MUTE/TIMEも表示)」
1.TOP SECRET 2.CRYSTAL 3.THE THING TO NEED
● MOVIE & PICTURES「画面一杯にばらまかれた写真。それを選択し,それぞれの写真に関連する映像や静止画像を楽しむ。スタッフ紹介写真は,人物をマウスでクリックすると自己紹介が表示される」
● PROMOTION VIDEO「今回のために特別に制作した,オリジナル・プロモーションビデオを楽しむ」
と記された説明書?が封入されている。
しか〜し,管理人が未聴の間,PCの世界は進歩しWINDOWS95よ,さようなら。現役PCでは古すぎるCD−EXTRA規格は再生できなくなってしまった。よってこれらの「おなけ」を堪能したなら『TOP SECRET』評価が変わるかも?
01. TOP SECRET
02. FALL IN THE NIGHT
03. GET MOVE
04. CRYSTAL
05. EARLY BEGINNING
06. THE THING TO NEED
07. THE MIDNIGHT ANGEL
08. VIRTUAL LIFE
09. SANCTUARY
10. EXCEPTION
(ポニー・キャニオン/PONY CANYON 1996年発売/PCZA-00001)
CD−EXTRA仕様
CD−EXTRA仕様
コメント一覧 (2)
ボク的には同年発売された「フラワーズ」より、むしろ、こちらのアルバムの方が断然好きで、むしろ実験的またはオタク的?な要素を除けば、これ程、野呂さんの曲を楽しめるアルバムはないのでは?と思ったくらいです。
セラビーさんにとって、この時期のカシオペア&野呂作品は、少し距離を感じるのでしょうね。90年代派のボクとしては、毎年リリースされるアルバムを、楽しみにしてました(^^)
お互い、好みが分かれるのも、色々と刺激があって楽しいですね(笑)
『TOP SECRET』と『FLOWERS』。どちらも野呂さん渾身の力作なのは分かっていますが,この時期の野呂さんのメロディにはどうにも馴染めません。
『TOP SECRET』は野呂ファンにとっての(賛否両論)『TOP SECRET』だと思います。
好き嫌いが分かれる実験作が私的には賛否の否。やはりバックに厚みが欲しいのです。
「お互い、好みが分かれるのも、色々と刺激があって楽しいですね(笑)」。
その通りですね。私も風の少年さんの確かな耳をリスペクトしておりますので,遠慮なく本音を知らせてくださいねっ。