
しかし【TAKE OFF】のプリズムは「聞いていた」のであって「聴いて」はいなかった。
管理人が真に“プリズムを聴く”ようになったのはギター・トリオ編成となった「環境3部作」からである。もうめちゃめちゃ聴いた。和田アキラは当然として渡辺建にハマッテいた(大人になった今は「木村万作・命」です)。
それでいつもなら,お気に入りのフュージョン・バンドは過去のディスコグラフィを遡って聴くのだが,なぜだろう? プリズムの場合は漁らなかった。多分,最初に買った『LIVE』が好みじゃなかったからだろう。
『LIVE』には『MOTHER EARTH』『REJUVENATION』『A PERSONAL CHANGE』での“スリムでシャープでいぶし銀な”ギター・トリオのプリズムはいなかった。
『LIVE』でのプリズムはギター・トリオとは真逆の,ツイン・ギター&3キーボード&ツイン・ドラムな大編成。
和田アキラと森園勝敏のギター,佐山雅弘と久米大作と伊藤幸毅のキーボード,村上“ポンタ”秀一と鈴木リカのドラム,そして渡辺建のベース,佐藤康和のパーカッション,白尾泰久のアルト・サックス。どうですか,このスーパー・スター軍団=プリズムのメンツ。
スーパー・スター軍団による『LIVE』は,白熱のライブ。ドドドでダダダでカッキ〜ンなライブ。当時の管理人にはハマラなかったが今聴いたらハマル。多分,読者の皆さんにもハマル。
『LIVE』には,1978年当時の“熱い空気”が収録されている。そもそもライブ・アルバムはそのアーティストのベスト盤的な選曲がなされることが多いが,このセット・リストはプリズムの第1期(1stから3rd)の集大成にして第2期プリズムの始動作。
ゆえに当然の“絶頂”ベスト・ライブ。クリエイティヴィティに対する眩いばかりのチャレンジ&ハングリー。和田アキラの迷いのない新鮮なフレーズは“サナギからの脱皮”である。
そう。『LIVE』こそ,時代を超えて歴史に残るJ−フュージョン黎明期の傑作。永久保存版の名盤である。
『LIVE』の“昔ぜんぜん今絶賛”への変化は,今回の「紙ジャケット・巻帯仕様・SACDハイブリッド盤仕様」での再発マジックに理由がある。
その1。曲順をオリジナルのライブ通りに戻したドキュメンタリー仕様。特に【LOVE ME】の前に入っている渡辺建によるメンバー紹介のMC+バッキングの久米大作のエレピ+かわいそうな白尾泰久を経て辿り着いた和田アキラの“泣きの”ギター。そう。無編集ライブの“荒々しい灰汁”である。
その2。SACD&DSDに圧倒的な音質向上。特に【風神】における,村上“ポンタ”秀一と鈴木リカのドラム・バトルの大迫力に耳ダンボ。
その3。ボーナス・トラック3曲。ズバリ,管理人の『LIVE』再購入の動機はこれにつきる。プリズムのライブは素晴らしすぎる未発表テイクの宝の山を痛感した。

やっぱり管理人はギター・トリオのプリズムを支持します。『LIVE』は永遠に星4つ半です。
『LIVE』のハイライトは【プリズム】。渡辺建のメロディアスなベースとユニゾンする佐山雅弘のシンセが超快感です。
DISC 1
01. MEMORIES OF YOU〜WHEN YOU WERE GONE
02. TURTLE'S DREAM
03. DESPERATION Part-1〜OPEN MIND〜
DESPERATION Part-2
04. SLOW MOVE
05. PRISM
06. 風神
07. MORNING LIGHT
08. NIGHT PICNIC
DISC 2
01. SUMMER AFTER NOON
02. BREATH OF LIFE
03. BENEATH THE SEA
04. LOVE ME
05. TURTLE'S DREAM
06. 風神
07. LOVE ME
(ポリドール/POLYDOR 1979年発売/UPGH-1005/6)
(☆SACDハイブリッド盤仕様 CD2枚組)
(紙ジャケット・巻帯仕様)
(ライナーノーツ/和田アキラ,小澤芳一)
(☆SACDハイブリッド盤仕様 CD2枚組)
(紙ジャケット・巻帯仕様)
(ライナーノーツ/和田アキラ,小澤芳一)