
『LIVE A LIVE VOL.2』は『NOTHIN’ UNUSUAL』の録音メンバーによるプリズム第2期のレパートーリー・ライブ。
しかし『LIVE A LIVE VOL.2』は,単なる総決算ライブではなく,来たるべき「黄金の第3期」の胎動を伝える,第2期ヒット・ナンバーの新アレンジ。全4曲とも“オリジナルを凌駕する”完成度は神。音楽に“生命力が吹き込まれる”瞬間のライブは「これぞプリズム」的な快演に感動するばかりである。
この言わば2.5期のプリズムは,和田アキラと渡辺建によるユニット体制。そこに木村万作のドラム,松浦義和と深町純のツイン・キーボードがサポートとして加わる,通称「プログレ・フュージョン」!
松浦義和と深町純のジャズとロックを行き来するパイロット・フレーズの“仕掛け”に和田アキラが大スパーク。グイグイと早弾きで畳み掛けているはずなのに,サウンドが横へ横へと,水平線に沿って広がっていくこの感じ。く〜っ。
【KARMA】における6分28秒から9分7秒までの和田アキラのギター・ソロのヒートアップぶりがお見事。ドラマティックでアルペジオで超絶技巧を惜しげもなく繰り出す“火を吹く”演奏の比類の無い緊張感。「もう指が止まんね〜」の「どこまで行くねん」状態こそ,真に【KARMA】そのもの。
ミディアム・バラードの神曲【UNFORGETABLE】こそ『LIVE A LIVE VOL.2』のハイライト。渡辺建の“リード”フレットレス・ベースから始まって,中盤での和田アキラの“なんともメロディアスな”超絶ギター。ラストで来る来る,やつが来る,きっと来る,ついに来た〜大叩きの木村万作のドラムと共に涙がポロリなハートフル。いや〜,名演である。

極上の37分36秒の完璧な世界観を表現されるよりは,勢いあるミス・タッチも認めてしまえ〜。和田アキラよ,没テイクも認めるのがジャズ/フュージョンに生きる男たちの掟ではなかったのか?( 要は収録曲数の少なさ&収録時間の短さに不満足。もっと聴かせろ〜,だけが星半個マイナス )
ああ,やっぱりそう。プリズムの2.5期は非ジャズな「プログレ・フュージョン」。和田アキラが一番「アラン・ホールズワース」に寄っている。
第1期プリズムはフュージョンだったが,第2期プリズムはロックである。そして,黄金の第3期は“フュージョンともロックとも捉えがたい”プリズムの独自路線へと突き進んでゆく。
01. KARMA
02. THE FIRST SKY AND THE LAST SEA
03. CRUISER'S STREET
04. UNFORGETTABLE
(サウンズ・マーケッティング・システム/SOUNDS MARKETING SYSTEM 1987年発売/MD32-5108)
コメント一覧 (2)
実は和田アキラ氏を最初に知ったのは、このバンドではなくて、松岡直也グループが最初だったのです。
それぐらい、プリズムの事って知らなかったんですよ(^^;
今度、機会を見て聴いてみようと思います。
プリズムよりも松岡直也グループの方が有名ですので,私の周りにも和田アキラは松岡直也グループのサイドメンと思っている人が多かったですね。
プリズムはマニアックなので好き嫌いがあると思います。スクェア寄りではなくディメンション寄りですね。ディメがいけちゃう風の少年さんなら気に入るはずです。是非聴いてハマッテくださ〜い。