
『24』はDIMENSIONの24枚目のオリジナル盤=全曲新曲である。でもそれでも『24』はDIMENSIONの「裏・ベスト」盤と捉えても良い。
そう。『24』は全てのDIMENSION・ファンの「宝物」となるべき超・充実盤。『24』にはDIMENSIONの「過去・現在・未来」が見事なバランスで見え隠れしている。
メロディー良し。アドリブ良し。アレンジ良しの演奏良し。ギターの増崎孝司,キーボードの小野塚晃,サックスの勝田一樹のDIMENSION3人が,バンドとソロとスタジオ・ワークの全ワークスを『24』で詰め込んできている。
これが心憎いばかりの軽いノリ。“サラッと”弾き流しているのが,いかにもDIMENSIONらしい。この絶妙な塩梅の味が大好きでメロメロのトロトロ。キャリアの集大成的な演奏なのに重くない。この最高バランスに,ついに『24』をDIMENSIONの“最高傑作”に指名する覚悟を決めた。腹をくくった。
これまで管理人はDIMENSIONの“最高傑作”についての言及を避けてきた。なぜならDIMENSIONの場合は『FIRST DIMENSION』から『23』まで「ハズレ」が1作もない。単純に言えば最新作=最高傑作の図式が成立するJ−フュージョン屈指のテクニカル・バンドだからである。
しかし,管理人が『24』をDIMENSIONの“最高傑作”に指名するのは『24』が“最新の”DIMENSIONだからではない。
この辺の事情を書き出すと長くなるので省略するが,かつてDIMENSIONは「もう昔のレパートリーはやらない宣言」をしたことがあった。その後,この「封印宣言」はうやむやなものとなっていたが,管理人の中ではいまだに過去の「封印宣言」が継続している感覚があった。
「封印宣言」以後の2大名盤『MY RULE』と『21』にしても“成長は変化”であって進化ではなかったと思う。
しかし『24』の屈託のない音造りには,敢えて過去のDIMENSIONを織り成している。ついに『24』でDIMENSIONの3人が自身の「封印宣言」を“解禁”してみせたのだ。
く〜っ。もうあきらめかけていたDIMENSIONの「過去・現在・未来」の豪華大共演! これぞDIMENSIONファン冥利に尽きる夢のスペシャル盤。ゆえに「裏・ベスト」盤。だから“最高傑作”とここに宣言しよう!
『24』に興奮しないニワカ・ディメ・ファンは過去の23枚を半分でも聴いたら掴めるはず。聴き直してから出直してこ〜い!?
…と,ここで読者の皆さんだけに裏話。実は『24』をここまでプッシュするに至った理由はDIMENSION以外の取り巻き事情も関与してる。
管理人が2011年10月と11月に購入したCDは,増崎孝司の『IN AND OUT』,T−スクェアの『夢曲(ゆめのうた) − T−SQUARE PLAYS THE SQUARE』,キース・ジャレットの『リオ』,そしてDIMENSIONの『24』の4枚である(現在矢野顕子×上原ひろみの『GET TOGETHER 〜LIVE IN TOKYO〜』予約中)。

とにかくDIMENSIONがT−スクェアとキース・ジャレットに勝ったのは事実。ソフトバンク・ホークスがCSに勝ったのも事実。
いいや,DIMENSIONの“最高傑作”の地位は『24』が自らの実力で奪い取ったものである。
『24』の全10曲中,テレビ東京系「ゴルフの真髄」の【MAKE A SPLASH】。テレビ朝日系「SUNDAY!スクランブル」の【SENSE OF TOUCH】と【GREEN DAY】の3曲がタイアップ当選。マスヤン,ソロ・ギターよりカッコイイ〜!
DIMENSIONの真髄は「過去・現在・未来」に流れる,いいメロディーの最高バランスにある。『24』はファースト・インプレッションも最高だが,ピークが持続し“ジワジワ来る”大名盤のアレ。
例えるなら『24』の立ち位置はT−スクェアにおける『ヒューマン』であろう。スクェア好きのディメ・ファンならこれだけ書けば十分に気持ちが通じ合う?
管理人の結論。『24』がDIMENSIONの“最高傑作”である。
01. Make A Splash
02. Upside
03. Free Spirits
04. The Winds Of Change
05. The One
06. Tears
07. Walk On
08. Sense Of Touch
09. Green Day
10. Together
(ザイン/ZAIN RECORDS 2011年発売/ZACL-9051)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆スリップ・ケース仕様)
コメント一覧 (2)
相変わらずの楽曲のクオリティの高さ、センスの良いアレンジ、演奏レベルは言うまでもなく、本当にこのバンドは、どこまで行ってしまうのでしょう!?
実はまだ、「23」を聴いてないので、聴き比べると、また違った世界が見えてくるかも・・
本田時代のスクエアファンのセラビーさんにとって、「ヒューマン」を出されたという事は、ホント、「24」は頂点に位置するアルバムなんですね。
また、ジックリと聴き込みたいと思います♪
そうそう、息子に借りてきた「いきものがかり」の新作も聴かないと!(^^)!
忙しい忙しい。。
『23』は完成度高いです。『24』はそこからの崩しをどうにも感じます。一気呵成の演奏にディメの主張があるんです。
第一印象での『24』はラフすぎる勢いだけの演奏に思えましたが,じっくりと聴き込んでいくと,入念に準備された構図が下地にあって,本番は感性の思うがままにプレイすることを許しあっているようです。3人が全てを受け入れるリスペクト状態。
スクェアは『ヒューマン』。ディメンションは『24』。この境地は中々崩れそうにありません。
いきものがかりも好きですよ〜。