MOKO-MOKO-1 “史上最年少”ブルーノート・リーダー・アーティスト=松永貴志の“世界デビュー盤”『STORM ZONE』。
 『STORM ZONE』の真実はブルーノートの新録音ではなかった。日本既発売=松永貴志のセカンドCDMOKO−MOKO』の版権貸与。なあんだ。
 NO。なあんだではありませんよ。これってビッグ・ニュースですから〜。

 そんな松永貴志の『MOKO−MOKO』=『STORM ZONE』こそ,松永貴志デビューCDINTRODUCING TAKASHI MATSUNAGA』のタイトルにふさわしい内容だと思う。
 そう。『MOKO−MOKO』こそが松永貴志の「INTRODUCING」。ジャズ・ピアニストであり名コンポーザーでもある松永貴志の魅力がストレートに伝わってくる。何と言っても全曲松永貴志のオリジナル集なのだから…。

 『INTRODUCING TAKASHI MATSUNAGA』より『MOKO−MOKO』の方が完成度が高まっていることを認めた上での発言である。『MOKO−MOKO』は名盤ならぬ迷盤である。
 仮に『MOKO−MOKO』ではなく『INTRODUCING TAKASHI MATSUNAGA』がワールド発売されていたなら松永貴志の人気は“こんな程度”ではなかったはずだ。スーパースターになっていて然るべき“天才”の1人だと思うのだが…。

 そう。松永貴志は迷盤『MOKO−MOKO』のせいで小曽根真上原ひろみになりそこなった。大西順子木住野佳子クラスにおさまってしまった(大西さん,木住野さん,ごめんなさい。私は小曽根さんや上原さんより大西さんや木住野さんの方が好きですから〜)。
 全てはまたしても東芝EMIの戦略ミス。大西順子が背負った十字架を現在は松永貴志が背負っている。背負わされている。

MOKO-MOKO-2 『MOKO−MOKO』での松永貴志の魅力はジャズ・ピアニストの域を超えてしまっている。完全に「THIS IS TAKASHI MATSUNAGA」な世界炸裂〜。リリシズムあふれるピクチャレスクな音世界〜。真に松永貴志のオリジナルは“自由奔放”なのである。
 ゆえに余計に耳に付くまとまり感。こじんまりとまとまってしまったのが惜しまれる。長所よりも短所が目立ってしまっている。

 【南十字星】【新しい朝】の2大佳曲をフィーチャーする脇役的な曲構成で制作されていたならばインパクトがあったはずなのだが…。演奏と作曲は良いのだが17歳にしてのセルフ・プロデュースは早すぎたかなぁ。

  01. SOUTHERN CROSS
  02. MOKO-MOKO
  03. NEW MORNING
  04. THE DO-TON BORI RIVER
  05. JUNGLE SONG
  06. THE WORLD IN SORROW
  07. STORM ZONE
  08. THE DOORWAY TO DREAMS
  09. BLUES FOR WHALES

(サムシンエルス/SOMETHIN'ELSE 2003年発売/TOCJ-68059)
(ライナーノーツ/藤本史昭,松永貴志)
★2003年度ジャズ・ディスク大賞【ニュー・スター賞(国内部門)】受賞

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