EMISSION-1 『EMISSION』(以下『エミッション』)のMALTAが超カッコイイ。ビートの効いたダンス・チューンをハードボイルドに吹き上げる。ブイブイ・デュコフ〜。あ〜カッコイイ。
 『エミッション』にMALTAの新境地を感じたものだった。

 大好きな『サファイア』の続編を期待して聴き始めた『エミッション』。予想外の展開に面喰ったはずなのに,自分でも不思議なことに“ニンマリ”であった。
 MALTAに「ゴリゴリでブリブリなメタルのアルバム」をいつか制作してほしいと期待していたからであった。しかしそれがこのタイミングで…。『サファイア』の次に持ってくるとは…。
 これでいい! 『マイ・ヒット・アンド・ラン』『サファイア』で“絶好調男”MALTAが『エミッション』で一気に勝負をかけてきた!

 MALTAの全ディスコグラフィの中で『エミッション』は“孤高の存在”である。『エミッション』は,アルバム全体の構成なども全て無視した,とにかく勢い重視,やりたいことをやりたいメンバーを集めて吹き込んだ「熱いセッション集」である。
 ゆえに「羊の皮をかぶった狼」MALTAの本領発揮。暴れん坊の本性が剥き出しである。トータル・サウンドを無視して,これ程サックスを吹き鳴らすMALTAは他のどこにもいないと思う。

 常日頃はバックと調和することを第一としてきたMALTAがバックと戦っている。「俺が王様だ。文句あるのか〜」と言わんばかりの「ハードボイルド・サックス」である。
 『エミッション』はJVCの超豪華なゲスト・プレイヤー参加CDであるが,小曽根真も,佐山雅弘も,村上“PONTA”秀一も,高水健司も,岡沢章も,渡嘉敷佑一も,岩見和彦も,MALTAの勢いに“ブッ飛ばされている”。

( ここで種明かしを。『エミッション批評のイメージは『エミッション』のジャケット写真に秘密があります。下から上から斜めから正面から捉えられた“燃える赤色サックス”がスロー・シャッターで揺れているのです。メラメラ〜。
 そして1曲目の【SKY WALKER】というタイトルが,ルーク・スカイウォーカーを連想させ,ルーク・スカイウォーカーが大好きなドンドン・パチパチ「スター・ ウォーズ」を連想させるのです。)

EMISSION-2 …そういうわけで…。管理人の結論。『エミッション批評

 『エミッション』は,ノープランな“トンガリ系”セッション音源と納得のスタジオ・ワークが“売り”な名盤である。やはりアルバムはジャケット写真も含めた“アート”であってほしいと強く思う。
 称賛すべきは熟考されたであろう曲順の妙。ポップなアップ・チューンの前半と中だるみ防止のバラエティに富んだ中盤。そして最後にトドメの【DAYBREAK】。
 管理人は【DAYBREAK】の“祭りの後の静けさ”を味わうためだけに『エミッション』を聴くことがあります。哀愁の快感。それが『エミッション』に課されたエミッションだったのです!?

  01. SKY WALKER
  02. EMISSION
  03. METEOR SHOWER
  04. MYSTIC SEA
  05. FUTURE TRIP
  06. B-DORO
  07. PRELUDE IN SUMMER
  08. AEOLIAN BLUE
  09. DREAM
  10. DAYBREAK

(ビクター/JVC 1990年発売/VICJ-23)

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