
「和泉さん,もうそろそろ(ソロソロが和泉流)ソロ・ピアノは終わりにしませんか?」。
「スクェアで大車輪の活躍を見せたキーボードへ戻って来いとは言いません。アコースティック・ピアノをこれからも弾き続けてください。
ただしピアノ・トリオまでにしておきましょう。ハッキリ言ってソロ・ピアノだと和泉さんの良さが殺されてしまうと思うのです。もう自分で自分の首を絞めるようなソロ・ピアノは止めにしましょう」。
この暴言は,ザ・スクェアの『R・E・S・O・R・T』,ソロ・ピアノの『22TO26MIDNIGHT』,ピアノ・トリオの『A SQUARE SONG BOOK』に収録されている【OMENS OF LOVE】を聴き比べた結果だが,理由はそんなに単純ではない。
T−スクェア・スーパーバンドの『WONDERFUL DAYS』に提供した【WONDERFUL DAYS】と【FRECKLES】の表現力は,バンド向きのコンポーザー&アレンジャーの才能を証明していると思う。
『R・E・S・O・R・T』の【OMENS OF LOVE】を聴いた後に『A SQUARE SONG BOOK』の【OMENS OF LOVE】はまだ聴ける。しかし『R・E・S・O・R・T』の【OMENS OF LOVE】を聴いた後に『22TO26MIDNIGHT』の【OMENS OF LOVE】は聴けたものではない。
期待が大きかっただけに,何のアイディアもない焼き直しのソロ・ピアノには失望した。
そう。『22TO26MIDNIGHT』は“悪い意味での”カクテル・ピアノである。
スクェアで聴く和泉宏隆のピアノ・ソロは素晴らしい。それで1曲丸々和泉宏隆のピアノ・ソロで聴いてみたい,と思ったことは事実である。
しかし“ジャズ・ピアニスト”として,トータルな音楽家としての才能が剥き出しになるソロ・ピアノは残酷だ。リズム感,テクニック,インプロヴィゼーション…。曲の間奏で弾くアドリブの才能だけで通用するほど甘くはない。

ただし和泉宏隆独特の“ハーモニー・センス”を武器にすれば結果は異なる。コンボ編成であれば世界のキースやチックとも戦える。そんな自分の最大の武器をみすみす封印するなんて…。
『22TO26MIDNIGHT』のコンセプトは「22時から26時」のミッドナイトな音楽集。だからダメなのか? コンセプトのせいなのか?
『22TO26MIDNIGHT』を「22時から26時」の“指定時間”に合わせて聴いてみた。なるほどね〜。“良い意味での”ヒーリング・ミュージックが鳴っている。ライバルは「ジェットストリーム」?
管理人の耳は当てになりません。和泉さん,わざとサラッと弾き流しているのならゴメンナサイ。
01. Love Ballad
02. Moon Palace
03. Omens Of Love
04. November Rain
05. Snow Flower
06. The Inner Room
07. Clair De Lune
(アンドフォレスト・ミュージック/&FOREST MUSIC 2002年発売/NNCJ-1004)
コメント一覧 (2)
ボクも2枚ほど持ってまして、え〜と、
まず「朝の部」と、今回取り上げたアルバムの一つ前の時間帯のアルバムを持ってます。
それぞれの時間帯に合わせた選曲や演奏に酔いしれ聴いてました。
和泉さんの場合、スクエアのイメージがあまりにも大きいために、ソロアーティスト・・特にピアノソロで完全に勝負に出ると分が悪いのは、致し方ないところかも・・
ボクの中では和泉さんは「和泉宏隆」と言う一つのジャンルなんですよ。
確かに「ジャズ」のインプロビゼーションの世界で勝負する人ではないですね。
セラビーさんの言わんとしている事は、本当によく分ります。
厳しいレビューの中に、和泉さんに対する愛を感じましたよ。。
「確かに「ジャズ」のインプロビゼーションの世界で勝負する人ではないですね。
セラビーさんの言わんとしている事は、本当によく分ります。
厳しいレビューの中に、和泉さんに対する愛を感じましたよ。。」
うわぁ。素晴らしいフォローです。結構星3つをつけるレビューって勇気がいるのですが(その昔アメブロ時代に厳しい反論にあった経験があるので。もう消化出来ました)
同じように感じている仲間がいるんだなぁと。
でもクワガッタンさんのコメント。的をついています。つきすぎていて嫉妬を感じるぐらい的確です。私の本文って何なんでしょう。記事差し替えようかなぁ(冗談)