
流石に素晴らしい。文句なしの名演である。『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.1』特有の聴き所は,ジャズ・メッセンジャーズのリーダー=アート・ブレイキーのリーダー・シップ。
試しにアート・ブレイキーのバスドラを追いかけてみるとジャズ・メッセンジャーズの音楽性がアート・ブレイキーの“上げ下げ”に多分に負っていることがよ〜く分かる。“盛り上げたいのか? じっくり聞かせたいのか? アドリブを聞かせたいのか? アンサンブルを聞かせたいのか”がよ〜く分かる。
なぜなら『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.1』は『モーニン』の“新・音楽監督”テナー・サックスのベニー・ゴルソン脱退直後のバードランド・ライブ。ベニー・ゴルソンはファンキー・ジャズを“置き土産”にジャズ・メッセンジャーズを去り,トランペッターのアート・ファーマーとジャズテットの結成に動く〜。この手の引き抜き,ジャズ・メッセンジャーズでは“よくあること”なのです。
ゆえに『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.1』特有の聴き所は,アート・ブレイキーのリーダー・シップ。アート・ブレイキーが“色濃い”のでアート・ブレイキーのドラム好きには『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.1』と『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.2』が超お奨めです。アート・ブレイキーの揮う“タクト”の強力な推進力に踏み潰されてしまいそう。

管理人の『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド』への苦言はこのセットリストの1点のみ。逆に言えばヒット曲が入っていないにも関わらずこんなに楽しめるのが不思議な気分。ハンク・モブレーの書く曲も水準以上の佳曲揃い。ベニー・ゴルソンが退団しウェイン・ショーター入団前の“急造・陥没期”にして,充実のジャズ・メッセンジャーズこそ「NO.1コンボ」の証し。
そう。『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.1』と『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.2』の2枚はジャズ・メッセンジャーズの“隠れ名盤”襲名盤。
実に強力で「これぞハード・バップ&ファンキー」的な熱い演奏がたっぷり楽しめま〜す。
01. HIPSIPPY BLUES
02. JUSTICE
03. THE THEME
04. CLOSE YOUR EYES
05. JUST COOLIN'
(ブルーノート/BLUE NOTE 1959年発売/TOCJ-4015)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,上条直之,森田敏文)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,上条直之,森田敏文)