AT THE JAZZ CORNER OF THE WORLD VOL.2-1 『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.1批評は,最大の聴き所である,ジャズ・メッセンジャーズのリーダー=アート・ブレイキーの“リーダー・シップ”を中心にレビューを下した。
 今夜の『AT THE JAZZ CORNER OF THE WORLD VOL.2』(以下『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド VOL.2』)批評は,もう一つの聴き所である,ベニー・ゴルソンの後釜,テナー・サックスハンク・モブレーの“味”についてレビューしよう。

 『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド』で,ベニー・ゴルソンの代役としてジャズ・メッセンジャーズへカムバックしたテナー・サックスハンク・モブレー
 ジャズ・メッセンジャーズでのハンク・モブレーは幸が薄い。ベニー・ゴルソンのように音楽監督として強力なリーダー・シップを発揮するわけではない。しかしサックス・プレイヤーとしてのハンク・モブレーは申し分ない。

AT THE JAZZ CORNER OF THE WORLD VOL.2-2 ジャズ・ファンにとってハンク・モブレーと来れば“B級ジャズ”の代表格。「ここだけは,これだけは伝えたい」とするタイプのジャズメン。そんなハンク・モブレートランペットの“神童”リー・モーガンとタッグを組んで心地良くブローする。リー・モーガンに乗せられてハード・バップ・テナーを爆走する。

 例えば,ハンク・モブレーリー・モーガンである【M & M】。簡単なコード進行と強引で刺激的なメロディー・ラインで相まみれる。そこにボビー・ティモンズジミー・メリットアート・ブレイキーの“アゲアゲな”リズム・セクションが相まみれる。

 『アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド』での“燃え盛る”ハンク・モブレー・シフトこそが,1959年型のジャズ・メッセンジャーズの“ジャズ”である。

  01. CHICKEN AN' DUMPLINS
  02. M & M
  03. HI-FLY
  04. THE THEME
  05. ART'S REVELATION

(ブルーノート/BLUE NOTE 1959年発売/TOCJ-4016)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,上条直之,片岡義男)

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