BILL EVANS PLAYS BILL EVANS-1 『BILL EANS PLAYS BILL EVANS』(以下『ビル・エヴァンス・プレイズ・ビル・エヴァンス』)は,ビル・エヴァンスの没後20周年に企画されたヴァーヴ時代のオリジナル・ベスト編集盤である。

 ビル・エヴァンスは多作家ではない。レパートリーの多くも有名スタンダードを生涯をかけて演奏し続けたものが多い。その意味で“作曲家”ビル・エヴァンスをテーマとした『ビル・エヴァンス・プレイズ・ビル・エヴァンス』は「企画賞」ものだと思う。
 
 ヴァーヴ限定だと分かってはいても,全曲オリジナルの『ビル・エヴァンス・プレイズ・ビル・エヴァンス』を通して聴くとビル・エヴァンスのインスピレーションの“迸り”が見えるような気がする。

 ビル・エヴァンスは演奏家としては内省的なプレイが特徴的だが,作曲は「外へ外へ」と向かっていく。一人思索にふけるというよりも誰かとの共演をイメージしたような作曲が多い。
 きっと新しいベーシストドラマーが自身のトリオに加入するたびに,その新メンバーの特質を念頭に置いて作曲したのではないか? あるいは亡きスコット・ラファロを思い浮かべながら…。

BILL EVANS PLAYS BILL EVANS-2 管理人の結論。『ビル・エヴァンス・プレイズ・ビル・エヴァンス批評

 ビル・エヴァンスは共演者に大いに影響されるタイプのピアニストにして,共演者に大いに影響されるタイプの作曲家である。新発見&再認識。

  01. ONE FOE HELEN
  02. FUNKALLERO
  03. ONLY CHILD
  04. ORBIT (UNLESS IT'S YOU)
  05. MY BELLS
  06. FUNNY MAN
  07. VERY EARLY
  08. WALKIN' UP
  09. N.Y.C.'S NO LARK
  10. G WALTZ
  11. TIME OUT FOR CHRIS
  12. THESE THINGS CALLED CHANGES
  13. A SIMPLE MATTER OF CONVICTION
  14. TIME REMEMBERED
  15. SOLO - IN MEMORY OF HIS FATHER, HARRY L.
     EVANS, 1891-1966; PROLOGUE・IMPROVISATION
     ON TWO THEMES・STORY LINE・TURN OUT THE
     STARS・EPILOGUE


(ヴァーヴ/VERVE 2000年発売/UCCV-4001)
(ライナーノーツ/杉田宏樹)

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