GROWIN'-1 本田雅人の“最高傑作”は『ILLUSION』と『REAL−FUSION』の双璧であるが,本田雅人命のマニア盤なら『CROWDED COLORS』である。
 果たして本田雅人の愛聴盤は本田雅人ソロデビュー・アルバム『GROWIN’』である。

 愛聴盤の理由は『GROWIN’』がもたらしてくれる安心感。ものの見事に本田雅人の個性がパッケージング → 「そこに本田雅人がいるような」真空パック → 単純にT−スクェアのバンド・サウンドの延長線!?

 そう。『GROWIN’』は本田雅人ファンの主食である。白ごはんである。いつ食してもどこで食しても満足できる。対する『ILLUSION』はステーキであり『REAL−FUSION』がハンバーグであり『CROWDED COLORS』はミートソース。← なんのこっちゃ?

 つまり『ILLUSION』『REAL−FUSION』『CROWDED COLORS』を単品で楽しむことは可能だが,毎日聴き込む音楽としては向いていない。ハラハラ・ワクワク・ドキドキの伴うカッチリ感だけでは通してゆけないし飽きがくるかもしれない。
 しかし『ILLUSION』と『REAL−FUSION』の間に『GROWIN’』が,『REAL−FUSION』と『CROWDED COLORS』の間に『GROWIN’』が供されると,これが全然イケてしまうのだから面白い。やはり白ごはんがあるとおかずが進む〜。だからこそ「Mr.安心感」な『GROWIN’』が1番の愛聴盤の秘訣であろう。

GROWIN'-2  『GROWIN’』の相当に詰め込まれて凝縮された感のある完璧なトータル・コーディネイト! 音の隙間などないシーツ・オブ・サウンドのキャッチーさ! 超絶テクを聴きやすさに変換させ得るサックス・プレイヤーは歴史を通じて本田雅人しか存在しない!
 『GROWIN’』を聴く度に「本田雅人はこうでなくっちゃ」と思ってしまう。本田雅人の「音楽力」に説得されてしまい契約書にハンコを押してしまう。

 『GROWIN’』の黄金のレパートリー。全曲ハズレなしにしてライブの現行のレパートリー。T−スクェアのニュー・アルバムに入っていても違和感のない「ポップ・インストゥルメンタル」のレパートリー。
 本田雅人お得意のキメキメの変拍子も勿論あるが,意外とほのぼの系やポップス系が胸を打つ。特に何てないバラードの【夏のサンタクロース】は他の9曲の流れがあるから泣けてくる。そういう意味でもプレイヤー,作曲家,アレンジャーとしてアルバム全体の流れにまで気を配る“天才”本田雅人の魅力がギッシリなのです。

 ところで,管理人はきっと無意識のうちに本田雅人の1stソロGROWIN’』に【第2のMEGALITH】を求めていたのだと思う…。
 T−スクェアを脱退してまで作り上げた“オレ様”のソロデビュー盤なのだから,きっと【MEGALITH】以上の,とんでもなく難解な楽曲が披露されることを危ぶんでいたのだと思う…。

GROWIN'-3 そう。管理人が『GROWIN’』で感じる安心感の理由とは【第2のMEGALITH】不在から来る安心感であった。
 その実,きっと相当に凄い超絶技巧な『GROWIN’』。いいや,もう『GROWIN’』は暗譜できているのだから…。管理人の頭の中で1曲目から10曲目までよどみなく流れるのだから…。

 上には上。強い刺激も繰り返し受け続けると物足りなくなってしまう。ハードル高くてごめんなさい。でも管理人の期待値のハードルを高く上げたのは誰なのでしょうねっ。
 だ・か・ら『GROWIN’』は愛聴盤。だ・か・ら“最高傑作”は『ILLUSION』と『REAL−FUSION』〜。

PS 「GROWIN'-3」は封入特典「サイン入りポストカード」です。

 
01. Smack Out
02. Farmscape
03. 3/4/5(ワルツでGO!)
04. Crescent Moon
05. Joy
06. サックスのためのソナタ第18番「おはこ」
07. Turning of the Dream
08. Afternoon
09. Condolence
10. 夏のサンタクロース

 
MASATO HONDA : Soprano Saxophone, Alto Saxophone, Tenor Saxophone, Baritone Saxophone, EWI, Sax Exhaust Notes, Flute, Lead Guitar, Piano, Electric Piano, Percussion, Programming
YUJI TORIYAMA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
JUN KAJIWARA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
KEN MORIMURA : Piano, Organ
HIROTAKA IZUMI : Piano
KOH SHIMIZU : Bass
MITSURU SUTOH : Bass
TOMOHITO AOKI : Bass
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums
HIROYUKI NORITAKE : Drums
MASAHARU ISHIKAWA : Drums
HIDEO YAMAKI : Drums
SHINYA YAMAGUCHI : Ska Skipper
SHIBUYA - HIGASHI SWING OUT BROTHERS : Backing Voices

(ビクター/JVC 1998年発売/VICJ-60238)

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祭司たちに対する神のおきて(マラ1:1-2:17)
五十嵐一生 『GOLDEN LIPS