
果たして本田雅人の愛聴盤は本田雅人のソロ・デビュー・アルバム『GROWIN’』である。
愛聴盤の理由は『GROWIN’』がもたらしてくれる安心感。ものの見事に本田雅人の個性がパッケージング → 「そこに本田雅人がいるような」真空パック → 単純にT−スクェアのバンド・サウンドの延長線!?
そう。『GROWIN’』は本田雅人ファンの主食である。白ごはんである。いつ食してもどこで食しても満足できる。対する『ILLUSION』はステーキであり『REAL−FUSION』がハンバーグであり『CROWDED COLORS』はミートソース。← なんのこっちゃ?
つまり『ILLUSION』『REAL−FUSION』『CROWDED COLORS』を単品で楽しむことは可能だが,毎日聴き込む音楽としては向いていない。ハラハラ・ワクワク・ドキドキの伴うカッチリ感だけでは通してゆけないし飽きがくるかもしれない。
しかし『ILLUSION』と『REAL−FUSION』の間に『GROWIN’』が,『REAL−FUSION』と『CROWDED COLORS』の間に『GROWIN’』が供されると,これが全然イケてしまうのだから面白い。やはり白ごはんがあるとおかずが進む〜。だからこそ「Mr.安心感」な『GROWIN’』が1番の愛聴盤の秘訣であろう。

『GROWIN’』を聴く度に「本田雅人はこうでなくっちゃ」と思ってしまう。本田雅人の「音楽力」に説得されてしまい契約書にハンコを押してしまう。
『GROWIN’』の黄金のレパートリー。全曲ハズレなしにしてライブの現行のレパートリー。T−スクェアのニュー・アルバムに入っていても違和感のない「ポップ・インストゥルメンタル」のレパートリー。
本田雅人お得意のキメキメの変拍子も勿論あるが,意外とほのぼの系やポップス系が胸を打つ。特に何てないバラードの【夏のサンタクロース】は他の9曲の流れがあるから泣けてくる。そういう意味でもプレイヤー,作曲家,アレンジャーとしてアルバム全体の流れにまで気を配る“天才”本田雅人の魅力がギッシリなのです。
ところで,管理人はきっと無意識のうちに本田雅人の1stソロ『GROWIN’』に【第2のMEGALITH】を求めていたのだと思う…。
T−スクェアを脱退してまで作り上げた“オレ様”のソロ・デビュー盤なのだから,きっと【MEGALITH】以上の,とんでもなく難解な楽曲が披露されることを危ぶんでいたのだと思う…。

その実,きっと相当に凄い超絶技巧な『GROWIN’』。いいや,もう『GROWIN’』は暗譜できているのだから…。管理人の頭の中で1曲目から10曲目までよどみなく流れるのだから…。
上には上。強い刺激も繰り返し受け続けると物足りなくなってしまう。ハードル高くてごめんなさい。でも管理人の期待値のハードルを高く上げたのは誰なのでしょうねっ。
だ・か・ら『GROWIN’』は愛聴盤。だ・か・ら“最高傑作”は『ILLUSION』と『REAL−FUSION』〜。
PS 「GROWIN'-3」は封入特典「サイン入りポストカード」です。
01. Smack Out
02. Farmscape
03. 3/4/5(ワルツでGO!)
04. Crescent Moon
05. Joy
06. サックスのためのソナタ第18番「おはこ」
07. Turning of the Dream
08. Afternoon
09. Condolence
10. 夏のサンタクロース
MASATO HONDA : Soprano Saxophone, Alto Saxophone, Tenor Saxophone, Baritone Saxophone, EWI, Sax Exhaust Notes, Flute, Lead Guitar, Piano, Electric Piano, Percussion, Programming
YUJI TORIYAMA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
JUN KAJIWARA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
KEN MORIMURA : Piano, Organ
HIROTAKA IZUMI : Piano
KOH SHIMIZU : Bass
MITSURU SUTOH : Bass
TOMOHITO AOKI : Bass
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums
HIROYUKI NORITAKE : Drums
MASAHARU ISHIKAWA : Drums
HIDEO YAMAKI : Drums
SHINYA YAMAGUCHI : Ska Skipper
SHIBUYA - HIGASHI SWING OUT BROTHERS : Backing Voices
(ビクター/JVC 1998年発売/VICJ-60238)
祭司たちに対する神のおきて(マラ1:1-2:17)
五十嵐一生 『GOLDEN LIPS』
コメント一覧 (4)
1曲目のSmack Ouはか東原力哉さんをドラムに迎え、勢い一発!
本田さんといえば緻密な音作り。譜面は真っ黒なんだろうなと推察しますが、この1曲目は新たな一面を示してくれて、非常に驚きました。改めて好きになりましたね。
ちなみに私はCarry Out、Cross Heartが双璧です。
【Smack Out】。いっせ〜のせ,で一気にたたみかけるハイパーな名演ですね。私も東原力哉のドラムに耳が奪われる口です。真っ黒な譜面をこんなに生っぽく?演奏できるのは本田雅人の天才と思います。
『Carry Out』と『Cross Heart』と来ましたか? 非本田イズムで攻められると返しようがありません。脱帽です。
じゃないと、キャッチーなメロディは書けないだろうなぁ。
特にEWIとか、スクェアのような音楽を徹底的に敬遠する人っているけど、本田雅人も入団前はそんなイメージのプレーヤーと思われてたんだろうけど、誘ってみたらあっさりOKだったって。何かのインタビューで「ゴチャゴチャした曲が好きだと思われてるけど、案外、シンプルな曲も好きなんですよ」って語ってたっけ?
硬軟自由に操る本田雅人は、天才なんだなぁ。だから、伊東さんと絡みにくいのかな???
それにしても、シンプルな曲も難しいってどういうこと!?って訳で、本田期のコピーは避けてますが、、、
このアルバムが、最もスクェア卒業生らしさありますね。
はい。本田さんはロマンチストでしょう。おっと,スクェアに絡むミュージシャンって括りでいけば,himebowさんもロマンチストなんですね。そんな感じしますよっ。
本田さんの書く譜面は黒塗りが多いですが,シンプルなメロディ使いも多用しています。伊東さんの【メガリス】先日初めて生で聴きましたが,全然OKな感じでした。絡みづらいのはその通りでしょうが,音楽性の問題以外の部分で…。そう勘ぐってしまいます。ああ40THよ。
『GROWIN'』が本田雅人の基本のキです。「最もスクェア卒業生らしさあります」に同感です。