
果たして本田雅人の“愛聴盤”は本田雅人のデビューCD=『GROWIN’』。
『GROWIN’』には他のソロCDでは味わえない“安心感”がある。ものの見事に本田雅人の個性がパッケージング → 今聴いても「そこに本田雅人がいるような」真空パック。
そう。『GROWIN’』は本田雅人ファンの主食。白ごはんである。いつ食しても,どこで食してもOK。対する『ILLUSION』はステーキであり『REAL−FUSION』がハンバーグであり『CROWDED COLORS』はミートソース。← なんのこっちゃ?
つまり『ILLUSION』『REAL−FUSION』『CROWDED COLORS』を単品で楽しむことは可能だが,毎日聴き込む音楽としては向いていない。ハラハラ・ワクワク・ドキドキの伴うカッチリ感だけでは通してゆけない。
しかし『ILLUSION』と『REAL−FUSION』の間に『GROWIN’』が,『REAL−FUSION』と『CROWDED COLORS』の間に『GROWIN’』が供されると,これが全然イケてしまうのだから面白い。やはり白ごはんがあるとおかずが進む〜。だからこそ“Mr.安心感”な『GROWIN’』が“愛聴盤”なのだ。
『GROWIN’』の相当に詰め込まれて凝縮された感のある完璧なトータル・コーディネイト! 音の隙間などないシーツ・オブ・サウンドのキャッチーさ! 超絶テクを聴きやすさに変換させ得るサックス・プレイヤーは歴史を通じて本田雅人しか絶対に存在しない! 『GROWIN’』を聴く度に,最後は「本田雅人はこうでなくっちゃ」と思ってしまう。本田雅人の「音楽力」に説得されてしまい契約書にハンコを押してしまうのだ。

ここで【サックスのためのソナタ第18番「おはこ」】を例に本田雅人の“天才”を解説しておくと,目のまわるような超絶技巧をイントロで使ったかと思えば楽しげな8ビートになり途中でいきなりビッグバンド風4ビートな展開になり…。サックス・プレイヤーとしてもソプラノ・サックス,アルト・サックス,テナー・サックスをオーバーダブしたり,3種類のサックスでソロの掛け合いをしてみたり…。
そう。【サックスのためのソナタ第18番「おはこ」】とは【本田雅人のためのソナタ第18番「おはこ」】である。本田雅人の人一倍多い引き出しが堪能できます。いや〜,凄いを通り越してスサマジイ。でもどことなく【サックスを壊すためのソナタ第18番「おはこ」】に聴こえてくる。大人の遊びなんだろうなぁ〜。

そう。管理人が『GROWIN’』で感じる“安心感”とは【第2のメガリス】不在から来る“安心感”。その実,きっと相当に凄い超絶技巧な『GROWIN’』。いや,もう『GROWIN’』は暗譜できているのだから…。管理人の頭の中で1曲目から10曲目までよどみなく流れるのだから…。
上には上。強い刺激も繰り返し受け続けると物足りなくなってしまう。ハードル高くてごめんなさい。でも管理人の期待値のハードルを高く上げたのは誰なのでしょうねっ。
だ・か・ら『GROWIN’』は“愛聴盤”。だ・か・ら“最高傑作”は『ILLUSION』と『REAL−FUSION』〜。
PS 「GROWIN'-3」は封入特典「サイン入りポストカード」です。
01. Smack Out
02. Farmscape
03. 3/4/5(ワルツでGO!)
04. Crescent Moon
05. Joy
06. サックスのためのソナタ第18番「おはこ」
07. Turning of the Dream
08. Afternoon
09. Condolence
10. 夏のサンタクロース
(ビクター/JVC 1998年発売/VICJ-60238)
コメント
コメント一覧 (4)
1曲目のSmack Ouはか東原力哉さんをドラムに迎え、勢い一発!
本田さんといえば緻密な音作り。譜面は真っ黒なんだろうなと推察しますが、この1曲目は新たな一面を示してくれて、非常に驚きました。改めて好きになりましたね。
ちなみに私はCarry Out、Cross Heartが双璧です。
【Smack Out】。いっせ〜のせ,で一気にたたみかけるハイパーな名演ですね。私も東原力哉のドラムに耳が奪われる口です。真っ黒な譜面をこんなに生っぽく?演奏できるのは本田雅人の天才と思います。
『Carry Out』と『Cross Heart』と来ましたか? 非本田イズムで攻められると返しようがありません。脱帽です。
じゃないと、キャッチーなメロディは書けないだろうなぁ。
特にEWIとか、スクェアのような音楽を徹底的に敬遠する人っているけど、本田雅人も入団前はそんなイメージのプレーヤーと思われてたんだろうけど、誘ってみたらあっさりOKだったって。何かのインタビューで「ゴチャゴチャした曲が好きだと思われてるけど、案外、シンプルな曲も好きなんですよ」って語ってたっけ?
硬軟自由に操る本田雅人は、天才なんだなぁ。だから、伊東さんと絡みにくいのかな???
それにしても、シンプルな曲も難しいってどういうこと!?って訳で、本田期のコピーは避けてますが、、、
このアルバムが、最もスクェア卒業生らしさありますね。
はい。本田さんはロマンチストでしょう。おっと,スクェアに絡むミュージシャンって括りでいけば,himebowさんもロマンチストなんですね。そんな感じしますよっ。
本田さんの書く譜面は黒塗りが多いですが,シンプルなメロディ使いも多用しています。伊東さんの【メガリス】先日初めて生で聴きましたが,全然OKな感じでした。絡みづらいのはその通りでしょうが,音楽性の問題以外の部分で…。そう勘ぐってしまいます。ああ40THよ。
『GROWIN'』が本田雅人の基本のキです。「最もスクェア卒業生らしさあります」に同感です。