
アコースティックもエレクトリックも,フレッテットもフレットレスも,ウッド・ベースからピッコロ・ベースに至るまで,現存するどんなベースを手にしても,それをいとも簡単に“超絶技巧”で弾きこなすベース・マイスター。
しかし,ブライアン・ブロンバーグのベース・ソロCD=『HANDS −SOLO ACOUSTIC BASS−』(以下『ハンズ 〜ソロ・アコースティック・ベース〜』)を聴き終えて,ブライアン・ブロンバーグにはウッド・ベース以外は必要ないと思った。
こんなにも“表情豊かな”ウッド・ベースが弾けるのなら,ことさらエフェクターにこだわる必要などない。
にわかに信じられないがウッド・ベースでエレクトリック・ギター並みにリードを取れてしまっている。

ウッド・ベースの何とも骨太な音色が変幻自在にインスピレーションを与えてくれる。これは“弾きすぎるバージョンの”チャーリー・ヘイデン似のインスピレーション。
難易度の高いアコースティック・ベース・ソロが見事にハマッタ瞬間の解放感と満足感たるや,ベースという楽器を超えジャズ/フュージョンというジャンルを超えて辿り着く“豊穣の音楽”!

『ハンズ 〜ソロ・アコースティック・ベース〜』は「前人未到」の“神の手”の領域。
ジャコ・パストリアスがエレクトリック・ベースに「革命」をもたらしたと同じように,ブライアン・ブロンバーグがアコースティック・ベースに「革命」をもたらしている。
ジャコ・パストリアスの“フォロワー”であるブライアン・ブロンバーグが「革命」をもたらしたとは何とも皮肉。いいや,ジャコパスも本望であろう。
PS 「HANDS -SOLO ACOUSTIC BASS--3」は販促用の特典CDです。
01. Stella By Starlight
02. Cute
03. Solar
04. Beatles Medley (Day Tripper〜Yesterday〜Eleanor
Rigby)
05. Manha De Carnival
06. In A Sentimental Mood
07. King Of Pain
08. Teen Town
09. Susumu's Blues
10. Use Me
11. Black Dog
12. What Are You Doing The Rest Of Your Life
13. Yeah
(キングレコード/KING RECORD 2009年発売/KICJ 559)
(ライナーノーツ/菅野沖彦,ブライアン・ブロンバーグ,坂本信)
(ライナーノーツ/菅野沖彦,ブライアン・ブロンバーグ,坂本信)
コメント一覧 (4)
先日、タワレコのメルマガを読んでいたら、キースジャレットの新譜が出るとの情報を得ました。『ブレインゲッツ コンサート』完全版と80年年代の未発表音源の2作らしいです。ブレインゲッツのPaint My Heart Redが漸く聴くことができそうです。
最近のCD漁りですが、ジェリー マリガン、ケニードリュー、川嶋哲郎などを聴いていました。ジョンスコ フィールドを聴いてみたいと思うのですが、メセニーとの共演しか聴いたことがなく、ソロアルバムの方でオススメがありましたら、教えて頂ければ幸いです。
ブライアン・ブロンバーグのジョビン集は未聴です。早弾きでないブロンバーグもいいでしょうが,どうもそこまで食指が動きません。
ブライアン・ブロンバーグのパターンはメチャメチャ興奮するのですが10回も聴くとお腹いっぱいになって後は数年に1度必ずや訪れるジャコパス熱が高まった時に聴くぐらい。ジワジワ系とは無縁のスーパー・ベーシストと思っています。だから好きなのです!
さて,キース・ジャレットの最新情報ありがとうございます。ホカホカですね。
『ブレインゲッツ コンサート』のくだりは当初2枚組がなぜか1枚ものとなった『ブレゲンツ・コンサート』のことかも?
私的な予想ですが,仮にカットされた1枚の再発でしたら未発表の2枚と合わせて3枚とも即買い決定です。
キースは来年ソロで来日しますね。今さらながらトリオを見ておくべきだったと後悔しているので今度のソロは東京と大阪両方見たいと思っています。
ジョンスコはハッキリ言って地雷が多いです。メセニー以上にジャズを感じる雑食系ですので,お奨めするとしたら『鯔背』『ピック・ヒッツ』辺りの名の通った名盤から入るのが良いと思います。その後でマイルス・バンド時代の演奏を聴いてみてください。感動ものですよ。個人的にジョンスコではジャム系が一番好きでしてMMWとの共演盤が宝物です。
今回は3枚組で、邦題は『ヨーロピアン・コンサート』【完全版】として発売されます。オーストリアでの公演が1枚目、ドイツ公演がDisc2,3の仕様。タワレコの発売・販売元 提供資料 に随分興味深いことが書いてありました。
もう一作は『No End』というタイトルで68年作『レストレーション・ルーイン』、85年作『スピリッツ』のように楽器をオーバーダビングしたモノらしいです。
『ブレゲンツ・コンサート』。やっぱり来ましたか! しかも3枚組ですか! キースのソロは全部買いなのですが,昔の長編作がやはり大好物です。3枚組と2枚のオーバー・ダビングものの5枚を買っても1枚づつ聴き込むので数週間はキース中心のジャズ・ライフ確定です。お陰様で心の準備ができました!