
『ニューヨーク・コンチェルト』に日本名義とワールド名義が存在するのは『ニューヨーク・コンチェルト』が日本企画盤のサガ。
しかし『ニューヨーク・コンチェルト』を聴き込んでいくと,これが「必然」に思えてきた。
そう。『ニューヨーク・コンチェルト』の構図は,リーダーがジョー・チェンバースでフィーチャリングが増尾好秋。
しかし“フィーチャリング”こそが増尾好秋の良さを最大限に引き出すスタイル。その意味で『ニューヨーク・コンチェルト』こそが真の増尾好秋のリーダー作。これだからジャズって面白い!
そんな『ニューヨーク・コンチェルト』だから,増尾好秋のギター中心に聴いても,ジョー・チェンバースのドラムとヴァイブ中心に聴いても,いやいや,ケニー・バロンのピアノとエレピ,ソニー・フォーチュンのアルト・サックスとフルート,エディ・ゴメスのベース,レイ・マンティラのパーカッションも聴き所! 単純に『ニューヨーク・コンチェルト』=「オールスター・セッション」!
“いぶし銀”のジャズ・ギタリスト=増尾好秋が「オールスター・セッション」を率いて,人生で最高に輝いた瞬間の記録が『ニューヨーク・コンチェルト』のハイライト・トラック=【アランフェス協奏曲】。

そして鼻差で追いかける,ごった煮の3位グループの一角を占めるのが増尾好秋の【アランフェス協奏曲】。
増尾好秋の【アランフェス協奏曲】はメリハリの付け方がお見事な“模範演奏”スタイル。
イントロからリスナーのハートを鷲掴みするロドリーゴ的なアプローチ。そして『ニューヨーク・コンチェルト』を意識したのか都会的なアプローチ。寡黙なのに雄弁に鳴り続ける増尾好秋のジャズ・ギターが素晴らしい。
01. Irina
02. Two Hearts
03. Like Sonny
04. Visions
05. A Night Has A Thousand Eyes
06. Concierto De Aranjuez
07. Dhabihu
08. Autumn In New York
(ベイステイト/BAYSTATE 1981年発売/BVCJ-37586)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)