
25年振りとなるブラジル録音のオリジナル『オウトラ・ヴェス 〜ふたたび〜』と年末恒例のクリスマス・ライブのプロモーションです。
御年80歳の渡辺貞夫は「自分のやりたいことはほとんどやってきた。だからアイディアを出すのに結構苦労する」とのこと。そうして選んだブラジル・レコーディング。
「昨年の11月から12月にかけてツアーをやって2日だけ休んでレコーディングに行った。なぜならツアーをやった後の方が楽器のコンディションがいいから。楽器がいい鳴りになるにはライブしかない。だから毎月ライブを入れてもらっている」とのこと。
それで昨年のクリスマスはサンパウロにいてお正月もなかったそうだが,サンパウロに到着するまでが大変だったとのこと。
「エアラインのVARIGっていうのが無くなっちゃってニューヨークからUNITEDで行く予定だったのに,自分の荷物ピックアップして,ターミナルが変わって,それで行ったらUNITEDのカウンターがない。『UNITED探してんだけど』って言ったら親切に連れていってくれて,TAMっていうエアラインのカウンター,人が並んでる一番前に僕を連れてってくれて。変わってたんですよね。TAMっていうのが今のブラジルのエアラインらしい。それでそこでチェックインするときにもうボーディングの15分前なんですよ。こっちは焦っちゃって慌ててゲートまでチェックインに行ったら,さすがブラジル,エアラインが1時間半くらい遅れてたので乗れましたけど。そんなとこから始まるんですよ」とのこと。
まだまだブラジル・レコーディングのハプニング話は続き,次は現地スタジオでの裏話。
録音のセッティングの立ち位置が渡辺貞夫を中心に,目の前にドラム,横にパーカッション,右にピアノで,ギターとベースが別ブース。だから後でミキシングする時にセパレートできない。いちいちモニタールームに行ってみんなで話し合って創り上げたバンド・サウンド。そういう気遣いで疲れてしまったらしいです。
続いての話題は年末恒例のクリスマス・ライブ。
「『BEBOP THE NIGHT』って言っちゃったものですから,50年代,60年代のみんなの知ってるいい曲ってたくさんあるんですよね。選曲はホントに苦労しちゃって,まだ明確には決まってないですけど,やっぱし皆さんが懐かしい曲聞きたいでしょうし,僕もやりたいんですけど,僕は自分のBEBOP,オリジナル曲をどうしてもやりたいので,そうするとそっちの方が多くなってくるんですよね。まだ完全には決まってません,後から後から出てくるので」と選曲の苦労を笑い飛ばしておられました。
そうして最後はナベサダのプライベートについてのトーク。
番組の2曲目に【リトル・ワルツ・フォー・M】が流れたが,曲紹介に際して,奥さんを亡くして「お別れの偲ぶ会」を皆さんがやりたいということになったエピソード話。ナベサダはお土産のCDを作ろうということで,お帰りの際,皆さんにお渡しするアルバムを作ったとのこと。その中に入れた【リトル・ワルツ・フォー・M】こそ,ストレートに奥さんのために書いたラブ・ソング。【リトル・ワルツ・フォー・M】こそ,お別れのラブ・ソング。
そんな傷心のナベサダを癒してくれているのがペットのワンちゃん。甘ったれの元気もの。毎日窓に明かりが射してくるとナベサダのベッドにドンと飛び乗っかっきて身体を寄せてくる。大体6時か遅くても6:30には1時間位散歩に行っている。途中,公園の手すりにつかまって体操している →( しばし健康の秘訣トーク )→ ライブをやっていた方が調子いい。聴衆の熱気を受けるのが元気の源!
あっと言う間の30分番組。「もう終わり? 次はイントロなしでエンディングもなしでテーマで行きましょう。はい」。は〜い。
以下,オンエア曲一覧です。
1曲目 : 【OUTRA VEZ】 / 渡辺貞夫
2曲目 : 【LITTLE WALTZ FOR M】 / 渡辺貞夫