
無性に菊地雅章のテザード・ムーンが聴きたくなって,ここのところ毎日聴いている。
キース・ジャレットと菊地雅章。管理人はキース・ジャレットのジャズ・ピアノを聴いているとなぜだか菊地雅章を連想してしまう。
ビル・エヴァンスでもミシェル・ペトルチアーニでもなくブラッド・メルドーでもアキコ・グレースでもなく,なぜだか菊地雅章なのだ。
キース・ジャレットと菊地雅章の共通点は多々ある。まず唸る。そしてマイルス・デイビス,ギル・エヴァンス,ポール・モチアン,ゲイリー・ピーコックとの密なる共演。さらにはフリー・ジャズ…。
上記はちと強引? 実に“孤高の天才”キース・ジャレットと同じ世界に住んでいるジャズ・ピアニストなんていやしないのだし,冷静にCDを聴き比べれば菊地雅章はほど遠い。でもそれでもキース・ジャレットに菊地雅章を思い重ねてしまうのだ。
この感覚が分かる人はいますか? その人は絶対にキース・ジャレット・フリーク! 管理人と「ドンピシャなお友達」になれることでしょう。
そんな何の根拠もなく意味不明なのに確たる自信だけは持っている“菊地雅章から香るキース・ジャレットの香り”。その最右翼と来ればベースのゲイリー・ピーコックとドラムのポール・モチアンと組んだ「テザード・ムーン」である。
超キース・ジャレット・フリークな管理人をして,あのキース・ジャレット・トリオに“肩を並べる”と思ったピアノ・トリオは,後にも先にも「テザード・ムーン」だけなのだ。
ここまで書けば管理人が冗談でも気まぐれでもなく本気で「テザード・ムーン」を押していることは察していただけることと思う。
「テザード・ムーン」の基本形は『AT THE DEER HEAD INN』におけるキース・ジャレット・トリオだと思っている。
キース・ジャレット・トリオと来れば,ピアノのキース・ジャレット,ベースのゲイリー・ピーコック,ドラムのジャック・デジョネットであるが『AT THE DEER HEAD INN』ではドラムのジャック・デジョネットがポール・モチアンに交代した。
キース・ジャレット・トリオの編成からドラマーが1人交代しただけで,こうも変わるものなのか!?
そうして「テザード・ムーン」の『TRIANGLE』(以下『トライングル』)を聴いた感想は,キース・ジャレット・トリオの編成からピアニストが1人交代するだけで,こうも変わるものなのか!?

『トライングル』での菊地雅章は“弾きすぎていない”。一音一音,ピアノの音を丁寧に選びながら“慈しんでいる”菊地雅章のセンスがどうにも素晴らしすぎる。
ピアノのハイライトは【THE SONG IS YOU】である。
この菊地雅章の音選びを「導き,刺激し,手助けしている」ゲイリー・ピーコックのベースとポール・モチアンのドラムのセンスがどうにも素晴らしすぎる。
ベースとドラムのハイライトは【TURNAROUND】である。
…と,この3人とも「どうかしてるぜ!」とブラックマヨネーズの吉田のツッコミを締めの言葉としてチョイスした管理人のセンスなしがひどすぎる。
01. LITTLE ABI
02. THE SONG IS YOU
03. INTRODUCTION 1〜I FALL IN LOVE TOO EASILY
04. TRUE U
05. GAIA
06. CONCEPTION VESSEL
07. TURNAROUND
(パドルホイール/PADDLE WHEEL 1992年発売/KICJ-130)
(ライナーノーツ/川田恒信,稲葉真弓)
(ライナーノーツ/川田恒信,稲葉真弓)