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このトーン,このフレージング,そして何よりも大切な間の取り方と歌心が完璧。時に豪快なドライブで急所をエグッテくれば,ソウルフルなソロで胃袋をエグリ取り,ブルージーなカッティングで心臓をエグリ裂き,泣きのバラードで魂をエグッテくる。この存在感かたるや“格別”である。
そう。松原正樹の“格別”な存在感はボーカリスト然。松原正樹のギターが“うなれば”そんじょそこらのボーカリストは一発で霞んでしまう。
それくらいに松原正樹のギターには“歌”がある。トーンとフレージングで正しく“歌う”のインパクト。そう。松原正樹のギターには,歌詞では決して伝えきれないインストならではの説得力が感じられる。
だからフュージョン・ギタリストに徹してほしかった。何でも器用に弾き倒してほしくはなかった。「できる」ということと「やる」ということは別物なのだから…。
松原正樹の25周年記念ライブ盤『HUMARHYTHM LIVE』(以下『ヒューマリズム・ライブ』)は,松原正樹のライフワークである,打ち込み等を使用しない人間の生演奏を大切にした感動のライブ盤である。
やっぱりいいなぁ。『ヒューマリズム・ライブ』の生演奏。暖か味があるし迫力もある良い演奏。松原正樹を盛り立てようとバックが生き生きと楽しげに弾いている姿が想像できるような“HUMARHYTHM”な音。

松原正樹がフュージョン・ギタリストに徹してさえいれば,ゲスト・ボーカルなど入らない。松原正樹がバンドを演ったら野呂一生にもなれたと思うし,ジャズを演ったら渡辺香津美にもなれたであろうし,ポップスなら高中正義にもなれたであろうし…。
でも松原正樹は“器用貧乏”ではなく“器用富豪”。松原正樹こそ,日本が誇るハイセンスな“ギターの巨匠”の1人なのだ。
DISC1
01. NE-ON
02. True Lies
03. LIVING IN THE MUSIC
04. Deep Ocean
05. Bourgeon
06. DA-BA-DA
07. With Me
08. SYLVIA
09. MAKE IT WITH ME
10. SOMEDAY
11. THE DEALER
12. HUMAN RHYTHM
13. You Babe
DISC2
01. MIURA WIND
02. E・D・G・E
03. Dolphin
04. Over Lap
05. SNIPER
06. Fliegen
07. AGATHA
08. ARESA KORESA
09. OPEN YOUR FREEWAYS
10. HERCULES
11. Rocking Chair
(ロッキング・チェアー・レコード/ROCKING CHAIR RECORD 2003年発売/RCM-1003-4)
(CD2枚組)
(CD2枚組)
コメント
コメント一覧 (2)
スクェアとキースジャレットの新譜(ノー エンド以外)は聴きました。中山の『キースジャレットの頭のなか』も買ってきたので、ちびちびと読もうと思います。
『ヒューマリズム・ライブ』。いいですよねっ。ご指摘のDVD映像は私も視聴しました。今剛,マイク・ダン,斎藤ノブ,三沢マタロウの「HUMAN POWER」は力ありますよね〜。STBは音響の良い箱として有名ですね。
キース・ジャレットの『ヨーロピアン完全盤』お聞きになったようですね。私も『ノー エンド』はパスです。中山康樹の『キースジャレットの頭のなか』も正月休みに飛ばし読みしましたが,今だキースを解析できていないようで悶々です。ただし彼の結論の言葉には納得できました。
それからホームズさん。実は4/30のキースのソロ・コンサートのチケット購入したんです。大阪であればキース・ファンの連れがいるので当初一緒に行く予定だったのですがGWは香港に行く予定があって1人で東京です。まっ,2・3日東京の友達と遊びまくるだけなのですけど。
それでホームズさんはキースのソロ行かれませんか? 会場でお会いできればと思ったのですが…。