
ゆえに管理人は『マーシー・マーシー・マーシー』をジャズ・アルバムとしては評価していない。と言うかマイナス! 『マーシー・マーシー・マーシー』には,管理人の大好きな矢野沙織が「日本のキャノンボール・アダレイ」と称された時のキャノンボール・アダレイは見つからない。
それで今夜は世評では大人気の『マーシー・マーシー・マーシー』がなぜ駄盤なのかを徹底究明しようかと思いきや,それは不毛な作業ゆえ,最近お気に入りのCM「イイトコ イイトコ イイトコメガネ♪ イイトコメガネは,みんなの心の中にあるよ!」で『マーシー・マーシー・マーシー』を覗いてみると…。
あった〜。『マーシー・マーシー・マーシー』には駄盤として無視することのできない価値があった。『マーシー・マーシー・マーシー』はジャズが最高度に人気を博していた時代の「エンターテイメントの大傑作」としての価値があったのだ。
キャノンボール・アダレイのMCが凄い。こんなに煽られたら盛り上がるしかないでしょう。
勿論,演奏も快調そのもので,上記“ファンキー”キャノンボール&“ファンクの御用商人”キャノンボール&“オーバー・ファンク”の歴史的名盤の最右翼。

もはや単なるナツメロにしか聴こえないのだが,注目すべきは,この“興奮のるつぼ”をクールダウンさせるキャノンボール・アダレイとナット・アダレイの兄弟フロント陣。
【MERCY,MERCY,MERCY】演奏直前までの“吠えまくり”がウソのように,意外にも“ジャズ・ピアニスト”しているジョー・ザビヌルのサイドメンを静かに勤めあげている。
そう。【MERCY,MERCY,MERCY】は,キャノンボール・アダレイ・クインテットの熱いライブにおける“一服の清涼剤”として欠かすことのできないレパートリー。T−スクェアでいうところの【DAISY FIELD】! 心が洗われまする!
01. INTRODUCTION - FUN
02. GAMES
03. MERCY, MERCY, MERCY
04. STICKS
05. HIPPODELPHIA
06. SACK O' WOE
(キャピトル/CAPITOL 1966年発売/TOCJ-6120)
(ライナーノーツ/大村幸則)
(ライナーノーツ/大村幸則)