45℃(FORTY-FIVE DEGREES)-1 ジンサクデビューCDJIMSAKU』は,ラテンフュージョンには違いないが,アンデス山脈における「コンドルは飛んでいく♪」的な“涼しい高冷地”でのラテンフュージョン
 やっぱりラテンフュージョンと来れば松岡直也熱帯JAZZ楽団のような“灼熱亜熱帯”でなければ認められない!

 そんな思いにズバリ答える2ndCD45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』! 摂氏『45℃』の“灼熱地獄”のアリゲーター・フュージョン
 これだ! これなんだ! ラテンフュージョンと来れば,荒涼砂漠のコンドルではなく灼熱地獄のアリゲーター! その意味で『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』こそが神保彰櫻井哲夫=「神櫻」の音!

 『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』におけるジンサクの音楽性の変化は神保彰主導にある。『JIMSAKU』は櫻井哲夫主導でしたが,櫻井哲夫ラテンの人ではなくブラジルの人ですから…。
 そう。神保彰にアフロ・キューバン・リズムを伝授した「オルケスタ・デル・ソル」の重鎮=森村献による“ラテンの血”がバンドに注入されている。循環コードにリズムが絡み合うノリノリの曲調がついに姿を現わした! 物凄いエネルギー感! くうっ〜!

 そんな神保彰を中心としたラテンパーカッション・チームの中央を櫻井哲夫チョッパーが駆け抜け,その脇で是方博邦鳥山雄司のロック・ギターが「ギュイギュイーン」と…。
 そう。『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』こそ,カシオペアでは聴けなかった神保彰櫻井哲夫=「神櫻」の音!

 いきなりピアノパーカッションブラス隊がビンタしてくる【MUCHACHA BONITA】。パーカッション・バトルに割って入る櫻井哲夫のスーパー・チョッパーな【ALACRAN】。哀愁のヴァイオリンリコーダーにつられてトランペットまでが泣き出す「母を訪ねて三千里」風の【ROMANCING STAR】。パーカッションが“静かに”鳴っている“ムーディー”【HIMAWARI】。本多俊之が“朗々”な【TOKYO STRUT】。ラテン・ロックなのか? 果ては神保彰が主役なのか? ツインギターでアリゲーターが襲い掛かってくる【45℃(FORTY−FIVE DEGREES)】。最高に美しすぎる櫻井哲夫フレットレスベースの甘いメロディがラブ・バラードしている【WHEN THE WIND GOES DOWN】はユーミンのFMラジオのテーマ曲。エレクトリックヴァイオリンがここまで合うのか?【iOLE!】。ノリノリのゴキゲン・ソングで個人的にはジンサクと言えばの質問に即答してしまうであろう【CENTRO HABANA】。【CENTRO HABANA】の大興奮をクール・ダウンしてくれるフレットレスベースエレクトリックヴァイオリンの掛け合い【I MISS YOU】。

45℃(FORTY-FIVE DEGREES)-2 管理人の結論。『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)批評

 『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』は,ジンサク・ブランドを地に落としめた『JIMSAKU』からのV字回復作。
 『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』の成功と安堵感からか,ジンサク名物=物量投入作戦が開始される雛型作。「綿密に構成された大編成のスリムなド迫力」は,世界に類を見ないJ−フュージョン史を語るのに外せない名盤の1枚である。

  01. MUCHACHA BONITA
  02. ALACRAN
  03. ROMANCING STAR
  04. HIMAWARI
  05. TOKYO STRUT
  06. 45℃(FORTY-FIVE DEGREES)
  07. WHEN THE WIND GOES DOWN
  08. iOLE!
  09. CENTRO HABANA
  10. I MISS YOU

(ポリドール/POLYDOR 1991年発売/POCH-1093)
(デジパック仕様)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)