
『ジェード』の魅力は「ジンサク・サウンドの整理整頓」。『ジェード』でジンサクの目指すラテン・フュージョンが確立されたと言える。
ジンサクは神保彰と櫻井哲夫の2人のユニットであるのだが,実体はメンバー固定のバンドそのもの。バンド・ジンサクのフロントマンを託したはエレクトリック・ヴァイオリンの中井一朗。そこへラテン・フレイバーの彩りを加えるキーボードとギターとパーカッションとブラス隊+α。
エレクトリック・ヴァイオリンがメインのフュージョンと来れば,ジャン・リュック・ポンティのいたチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァーぐらいなもの? チック・コリアもラテン大好き人間だし,案外,いい線いけるんじゃないかと,この時期のジンサクに期待していたことを思い出す。
ただし“衝撃的”だった『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』と比べて『ジェード』はインパクトに欠ける。『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』に“詰め込み過ぎた”のか,新しいアプローチに欠けている。
なんだか『ジェード』でのジンサク・サウンドは,3作目にして全てを出し尽くした感があって,真剣に聴こうという気がしなくなってしまった。ゲップが出る程の満腹感があった。それだけ濃密な音世界が完璧にアレンジされている。だから「ジンサク・サウンドの整理整頓」。
そんな中,飛び抜けているのは本田雅人の起用と【FIREWATER】。『ジェード』をあまり聴き込んでいない管理人にとって『ジェード』とはすなわち本田雅人と【FIREWATER】のことである。

【FIREWATER】がさすが! 管理人がジンサクに求めていたのはコレなんです。もはや言葉になりません。口を開けば絶賛しかありません。超絶テクのオンパレードなのにメロディアス!
ジンサクは「日本のスライ&ロビー」あるいは「日本のジョン・パティトゥッチ&デイヴ・ウェックル」! いいや“世界の”ジンサク!
01. SONGO DE GO GO
02. WHAT'S UP?
03. 初節句
04. PARADISE IN THE CLOUD
05. AFTERNOON TEA
06. GIANT FORCE
07. MOON STONE
08. CASCADE
09. FIREWATER
10. PASSION FLOWER
(ポリドール/POLYDOR 1992年発売/POCH-1143)
コメント一覧 (2)
これ以降のアルバムは、迷路にハマったような感じがします。
色々と試してみるのですが、あまりシックリ来ないと言うか・・
「ジェード」はジンサクの完成系の様な印象がありますね。
やはり、本田さんの参加は、とても大きと思います。この頃のフュージョンって、勢いありましたね。
ボクにとっては「45℃」と「ジェード」共に素晴らしすぎて選べません(笑)
ムーンストーン・・名曲だと思います♪
『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』の延長線上に位置する『ジェード』でジンサク・サウンドが完成したと思っています。ゆえにジンサクは『ジェード』のライブ盤『ビバ!』で『ビバ!前』『ビバ!後』に分けることができるとも思っています。
ご指摘のように『ビバ!後』は迷路にハマったような感じがするような,しないような…。
本田さんはスクェアでもジンサクでもフロントマン。根っからのフロントマンしていますよねっ。