
星4つにした理由は決まっているではないか! だってジンサクのライブ盤だというのに櫻井哲夫のベース・ソロと神保彰のドラム・ソロが削られているではないか!
え? これって全て『100%』リリースへの演出だった? 敢えてのフラストレーションは計算だった? いや〜,まんまと引っ掛かってしまいました。 『100%』最高〜! 『100%』が聴けた今,もはや何も思い残すことはありません。
カシオペアの分裂後,ジンサク派へ回った管理人は少しだけ肩身が狭い毎日を過ごしてきました。『THE PARTY』『FULL COLORS』『ACTIVE』の名盤3連発で,新生カシオペアに寝返った時期もありました。
でも『100%』を聴き終えた瞬間,そんな黒歴史の全てがどうでもよくなってしまいました。神保彰+櫻井哲夫=ジンサクの結成は大成功でした。
だってカシオペアのリズム隊を続けていたら『100%』のような超名盤を作ることなど到底出来なかったでしょうし,仮に神保彰と櫻井哲夫で1枚作れたとしても『100%』のような独創性豊かなアイディアなど生まれなかったことでしょうし…。
と・に・か・く・無・条・件・で・大・絶・賛! 管理人は『100%』を,全世界のベーシスト,全世界のドラマー,そして全世界のフュージョン野郎に是非とも聴いてほしいと思っている。
ブログにプライベートは書かない主義なのであれなのだが,管理人の私生活には『100%』にまつわるエピソードが多い。書けることだけ書くことにするとベーシスト談義やドラマー談義で,管理人がジンサクの名前を出す。相手は聴いてもいないのに日本人はダメだと言う。そこで速攻『100%』を貸し出してのKO勝ち。相手は平謝りで神保彰と櫻井哲夫のCDを貸してと言ってくる。ここで勝ち誇らないのが優越感。自宅に帰って布団の中で思い出し笑い。なんてソトヅラがいいのでしょう。こんなに腹黒いのにね。なパターン。
カシオペア・ライブのハイライトはいつだって【朝焼け】ではなく櫻井哲夫のベース・ソロと神保彰のドラム・ソロ。舞台はジンサク・ライブに変わろうともハイライトは櫻井哲夫のベース・ソロと神保彰のドラム・ソロ。
いくら“ジンサク絶頂期”のライブと言えども“キラー・チューン”の櫻井哲夫のベース・ソロと神保彰のドラム・ソロが聴けない『VIVA!』なんて,男としての魅力がない。物足りない。
そんな『VIVA!』から取り分けられたとっておきの3曲は神! 『100%』は櫻井哲夫と神保彰の2人だけでの演奏ゆえ,それぞれの音数も多くベース・ラインがそのまま曲のテーマとなるのだが,ベース・ラインにドラムがアクセントを入れながらユニゾンをつけていく。その後それぞれ順番でソロを弾き倒す。櫻井哲夫がクラーベとカウベルを叩くドラムの上で自由自在に唄ったかと思えば,ベースがキメを刻む合間に驚くほどの手数の多さで神保彰の“千手観音”が炸裂し,最後にテーマが奏でられる。

神保彰のドラム・ソロ=【JACK IN THE BOX(DRUM SOLO)】は“名人芸”のMIDIトリガーシステムを駆使したメロディーまでもリアルタイムで叩き出す“究極の”ドラム・ソロ。ワンマン・オーケストラやSYNCHRONIZED DNAの原点とでも言える“圧巻の”ドラム・ソロ。
櫻井哲夫のベース・ソロ=【CATASTROPHE OF THE RHYTHM SUITE(BASS SOLO)】は15分を超える長編ベース・ソロの3部作。
とにかく大熱狂! あのマーカス・ミラーでさえ耳ダンボになるであろう“究極の”ベース・ソロ。3部作完走後の劇的なエコーの演出が最高にカッコイイ“圧巻の”ベース・ソロ。
結局【FIREWATER】【JACK IN THE BOX(DRUM SOLO)】【CATASTROPHE OF THE RHYTHM SUITE(BASS SOLO)】と『VIVA!』のライブの中に,ジンサク2人だけのコーナーが30分もあったという衝撃の事実に“あとからあとから”大興奮!
『VIVA!』でバンドとしてのジンサクを表現し『100%』で2人だけのジンサクをクローズアップするというコンセプトを考え出した企画者はド偉い! 管理人以上のマニア公認盤!
以上「迷わず聴けよ。聴けばわかるさ」なアントニオ猪木風な『100%』批評でした〜。アンコールは『100%』最高〜!
01. CRUISIN'
02. FIREWATER
03. JACK IN THE BOX (DRUM SOLO)
04. CATASTROPHE OF THE RHYTHM SUITE (BASS
SOLO)
#1 BACH ALLEMANDE (from the cello suite 1)
#2 HORS D'OEUVRE
#3 CATASTROPHE OF THE RHYTHM
05. MOON BEAUTY
(ポリドール/POLYDOR 1993年発売/POCH-1241)
コメント
コメント一覧 (5)
JIMSAKUレビューの真っ最中ですね。
お疲れ様です〜。
まあ見切り発車であった1作目、森村献さんとの出会いによってラテン・サウンドが固まった2作目、バンドとして固まった3作目に、ライブ作品の4作目とその番外5作目。その延長での6作目、ここまでよく聴きました。スーパー・ドラマーからラテンも特異なスーパー・ドラマーに転じた神保さんの叩きっぷりには恐れ入った〜というトコです。
しかしラテン・バンドという枠組みから離れて角松敏生氏のプロデュースによる9作目、そして突き詰めて人力ドラムン・ベースする最終10作目も、私にとってはジンサク。何演ってもこの2人には驚かされますね〜。
神保さんと櫻井さんの組み合わせ、最後に観たのが、櫻井さん1999年発表「21世紀の扉」ツアーにて…。ギター:和田アキラ、キーボード:小野塚晃という編成すなわち櫻井哲夫と3アキラーズの公演は、ジンサク解消直後でありながらパワフル。忘れられないステージの1つでした〜。
hiroaki0907sさんのジンサク1作目〜6作目レビューは,正しくその通りで,私の感想とシンクロナイズドDNAしすぎていて驚きです。気になったのは7と8への言及が抜けていますけどお嫌いでしょうか?
私も実を言うと『JADE』以降は雰囲気が同じに聴こえて3〜8作目までは『100%』を除いてヘビロテしていないのですが,角松敏生プロデュースの『DISPENSATION』が凄すぎて,続く『メガ・ディービー』のドラムン・ベースにもハマリました。このラストの2作はジンサクにしかできないオンリーワンな魅力全開で相当ハマリました〜。
私にとってジンサクは最低のスタートから急上昇したと思ったら中だるみして解散直前に一花咲かせた感じがします。でもジンサクのピークとしての最高傑作は『100%』で今も揺るぎません。
『21世紀の扉』のお宝ツアー。見られたのですね。私は残念ながらでした。今もって「なんで行かなかったのだろう」と後悔しているライブの一本です。
実は7〜8作目はね、オンタイムで聴いてないんですよ〜。しばらくしてから中古で買い集めたかな?だからその他作品より思い入れはほとんどありません。だからスルーな2枚です(苦笑)。
リアル・タイムで聞いたアルバムでないと思い入れが薄くなりますよね。『NAVEL』と『BLAZE OF PASSION』。嫌いじゃなくて安心しました〜。