BLAZE OF PASSION-1 『BLAZE OF PASSION』(以下『ブレイズ・オブ・パッション』)は“縮小傾向”が続いていたラテンフュージョンの「終焉」を宣言した実験作。

 本当に「終焉」したのかどうかは『DISPENSATION』と『MEGA db』を聴いて初めて分かったことだが,そんな結果論を言っているのではない。
 『ブレイズ・オブ・パッション』をリアル・タイムで聴いてみて,とにかく今までのジンサク,今までのラテンフュージョン路線はもうないな,と重い何かを感じてしまった。

 そう。事実は管理人が想像した以上の“バンド・サウンドの解体”であって,櫻井哲夫神保彰によるユニットがレギュラー・メンバーと行なった最大にして最後の実験作。
 とにかくジンサクは『ブレイズ・オブ・パッション』で一度死んだと思っている。

 『WIND LOVES US』と『NAVEL』は,それでも曲が良かったから“爽やか系”への転身も受け入れることができた。しかし『ブレイズ・オブ・パッション』は,とにかくハードに行けるところまで行こう,的な演奏重視。ラテンでもフュージョンでもないアシッド方面の演奏重視。

 『ブレイズ・オブ・パッション』の“目玉は”伊東たけしフィーチャリングされた【261 BROADWAY】だと思うのだが,この一番完成度の高い【261 BROADWAY】が“浮いて聴こえる”くらいに,クラブでノリまくるためのリズム・メイクだけが耳に残る。

BLAZE OF PASSION-2 【AWAKENING】【BRAIN BUSTER】【BLAZE OF PASSION】【BASH】における野呂一生是方博邦鳥山雄司武藤良明の4人のギター・バトルが熱すぎるのだが,クラブでノリまくるためのリズム・メイクだけが耳に残る。

 “ほのぼの系”の【SANGRIA】と“グランジ系”の【CAT WOMAN】の2曲だけが実験成功だと思うのだが,クラブでノリまくるためのリズム・メイクだけが耳に残る。

  01. AWAKENING
  02. BRAIN BUSTER
  03. I FEEL YOU IN MY HEART
  04. 261 BROADWAY
  05. BLAZE OF PASSION
  06. PRIMROSE
  07. SANGRIA
  08. MEGATON PUNCH
  09. CAT WOMAN
  10. BASH

(ポリドール/POLYDOR 1995年発売/POCH-1507)

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