DISPENSATION-1 『DISPENSATION』は,フュージョンではない。インストではない。本来のジンサクのアルバムではない。
 そのような批判があることを全て承知の上でここに宣言する。管理人は『DISPENSATION』が大好きだ。『DISPENSATION』がジンサクの一番の愛聴盤なのだ。

 管理人のハートを盗んだ犯人はっまたしても角松敏生である。角松敏生プロデュースの『DISPENSATION』は,角松組オールスターズ&櫻井哲夫神保彰コラボレーション盤。
 いいや,コラボと書くと聞こえが良いが『DISPENSATION』のCD帯にはしっかりと「JIMSAKU FEATURING KEIKO ITO PRODUCED BY TOSHIKI KADOMATSU」と記載があるが『DISPENSATION』の真実とは,角松敏生ソロ・アルバムに櫻井哲夫神保彰伊藤恵子が“フィーチャリング・ゲスト”として参加した,の構図であろう。

 そう。『DISPENSATION』における櫻井哲夫神保彰は,完全なる角松敏生のピースと化している。角松敏生が「笑っちゃうほど上手な人たち」を使って,思い切り遊んでいるのだ。
 クソー,あのジンサクを“遊びの駒”に使うとはなんてヤツなんだ。でもでも最高なんだよな〜,ジンサクの使い方が最高なんだよな〜。角松敏生よ,ありがとう〜。

 『DISPENSATION』は,なんてったって歌もの! ラテンフュージョンの“縮小キャンペーン”中だったとは言え,従来のジンサク復活を期待していた管理人は椅子から転び落ちてしまうくらいの衝撃を受けた。
 でもでも繰り返し聴いているうちに,最初は『100%』路線の【SUPER JINGLE】の5曲目当てで聴き出して,次に『WIND LOVES US』以降の“爽やか系”【ISLAND】目当てで聴くようになり,結局は歌もの目当てで聴くようになったのだから,もう大変! ← 伊藤恵子の歌ものって「渋谷系」なのでしょうか?

 でもこの頃には『DISPENSATION』にジンサクDNAを感じるようになっていた。
 そう。ジンサクのルーツは歌もの。ジンサクのルーツはシャンバラであった。
 “駄盤”『JIMSAKU』も“表名盤”『45℃(FORTY−FIVE DEGREES)』も“最高傑作”『100%』も“裏名盤”『NAVEL』も,実は『DISPENSATION』へと一本の線で結ばれている。

 角松敏生が関わったことにより『DISPENSATION』では,更に奥の深いジンサク・サウンドが展開されている。“ゴージャスな”ジンサク・サウンドが完成している。
 当時感じていた『DISPENSATION』に対する結論は今の耳を持ってしても同じである。「不朽の名盤」ってやつである。

DISPENSATION-2 角松敏生とコラボしたからこそ,歌もののバックでも“光り輝く”ジンサクが“前へ前へ”! 歌もののバックであるはずなのにポップスとは一線を画したキメの細かな超絶技巧が,とってもオシャレでカッコイイ!
 完全に角松敏生に喰われてしまった『DISPENSATION』だが,1人のベーシストと1人のドラマーに徹した櫻井哲夫神保彰のスーパー・プレイに“世界の”ジンサクが隠し切れない。

 歌ものの間の【SUPER JINGLE】が5曲っていうのは多すぎだし,きっとこの辺りを角松敏生は狙ったんだろうなぁ。ベースドラムソロとは異なるバイブレーション!

 基本・角松敏生の『DISPENSATION』。ベーシスト櫻井哲夫でなくとも,ドラマー神保彰でなくとも,角松敏生のシティ・ポップに変化はなかった?
 いえいえ『DISPENSATION』が“らしさのオーラ”を帯びているのはジンサクが参加すればこそ! ジンサク角松サウンドをやったからこそ,完璧に仕上がったに違いない!

 「きたきたきたあ! うんめェ!」「すげぇ!」「ハァ〜!」「世界一だな,こりゃ!」。

 
01. Super Jingle I CHASE THE CRIMINAL
02. DISPENSATION
03. Make My Time
04. Super Jingle II PRIZEWINNING
05. I can live without you
06. 渋谷PILON
07. Super Jingle III EMERGENCY REPORT
08. ISLAND
09. Super Jingle IV BATTLE ROYAL
10. Dance Of The Last Night EVE
11. 記憶の街
12. Super Jingle V AIMING AT GOAL
13. HARBOR FWY
14. DAY BREAK

 
JIMSAKU
AKIRA JIMBO : Drums, Timbalesdrums
TETSUO SAKURAI : Bass

TOSHIKI KADOMATSU : Acoustic Guitar Solo, Guitar, Vocoder, Keyboards, Background Vocals, Computer Programming
SATORU SHIONOYA : Fender Rhodes Solo, Acoustic Piano
TOSHIHIRO NAKANISHI : Electric Violin
TAKASHI NUMAZAWA : Drums
MICHIAKI TANAKA : Percussion, Keyboards, Computer Manipulator
KOSMAS KAPITZA : Percussion
YOHICHI OKABE : Percussion
KAZUKI KATSUTA : Saxophone Solo
SHOJI HARUNA : Saxophone Solo
SHOJI HARUNA : Saxophone Solo
OSAMU KOIKE : Saxophone
SUSUMU KAZUHARA : Flugelhorn
MASAHIRO KOBAYASHI : Trumpet, Flugelhorn
MASAHIKO SUGASAKA : Trumpet, Flugelhorn
YOHICHI MURATA : Trombone
YOSHIHIRO TOMONARI : Acoustic Piano
YOSHIYUKI "BUTCHER" ASANO : Acoustic Guitar, Guitar
ISAMU OHASHI : Guitar Solo
HIDETOSHI SUZUKI : Guitar
TSUYOSHI KON : Guitar
HIROSHI YAMADA : Keyboards, Computer Manipulator
KEIKO ITO : Vocals, Background Vocals
AGHARTA : Vocals, Background Vocals

(BMGビクター/BMG VICTOR 1996年発売/BVCR-776)

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コリント第一12章 1つの体,多くの器官
ボブ・ブルックマイヤー 『SPRIT MUSIC