
しかし『MEGA db』を聴いて感じたのは“流行の最先端”というよりも,現実とかけ離れた“近未来サウンド”!
“人力ドラムンベース”が売りだというのに,対極に位置する機械的な音で,言葉として表現するなら「デジタル・フュージョン」の印象を受けてしまう。
櫻井哲夫の人力ベースと神保彰の人力ドラムがヒューマン・レベルを超えてしまった結果としての機械的な音。
そう。叩きまくりで弾きまくりな「超高速・人間ドラムンベース」は打ち込み以上の「デジタル・フュージョン」なのだった。
凄いぞ,ジンサク! これぞDIMENSIONでも成し得ていない近未来サウンドの完成形だ! でも,それだけ? 本当に,これだけ?
『MEGA db』での“超絶技巧っぷり”はジンサク史上最強! 櫻井哲夫も神保彰も,かなり激しく攻め立てている! でも,それだけ? 本当に,これだけ?
『MEGA db』は悪くはないが,何回聴いても伝わってくるものがあまりなかった。「敢えて生楽器でドラムンベースをやってみました」以上のものが見つからない。
…っていうかドラムンベースってこんなに上品な音楽じゃない。「チープな質感」がドラムンベースの良さのはずなのに…。もっと変態チックな演奏だったら良かったのに…。櫻井さんも神保さんも真面目すぎる人だからなぁ…。
『MEGA db』を聴いて伝わるものがあるとすれば,前半が櫻井哲夫サイドで後半が神保彰サイド。メロディアスなドラムンベースの前半とリズミカルなドラムンベースの後半でアルバムが完全に二分されているアルバム作りの方向性。

そう。ジンサクは『MEGA db』で「2度目の死」を迎えたのであった。
『MEGA db』リリースの翌月,ジンサク名義での最後のライブ,その翌月には敢えてジンサク名義ではなく櫻井&神保セッション名義でのライブを行ないユニットの解消を発表する。
ジンサクとしての8年間のチャレンジは,特に桜ちゃんファンの管理人としては感慨深いものがありすぎで…。
その点『MEGA db』のライナーノーツに寄せられた,河合美佳,伊東たけし,塩谷哲,野呂一生,本多俊之,佐藤竹善,沼澤尚,角松敏生のコメントはいつ読んでも感激してしまいます。
01. COSMIC ORB
02. AZTEC
03. KAOS
04. FLASH BACK
05. STRUTTIN
06. GET FREAKY
07. BLUSTER
08. PARALLEL EGOES
(ファンハウス/FUN HOUSE 1997年発売/FHCF-2405)
(ライナーノーツ/河合美佳,伊東たけし,塩谷哲,野呂一生,本多俊之,佐藤竹善,沼澤尚,角松敏生)
(ライナーノーツ/河合美佳,伊東たけし,塩谷哲,野呂一生,本多俊之,佐藤竹善,沼澤尚,角松敏生)
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