
最大の理由はチャーリー・マリアーノの“彫りの深い顔立ち”が「G.I.ジョー」の人形顔に思えたのがきっかけなのだが,後付かもしれないが,チャーリー・マリアーノ=「G.I.ジョー」説,が我ながら気に入っている。
アメリカの軍人さんが日本女性を娶る(by 秋吉敏子)。アメリカの軍人さんが日本人を指導する(by 渡辺貞夫)。その結果,親日家さんの象徴「G.I.ジョー」! ねっ,なかなかでしょう?(自画自賛)。
チャーリー・マリアーノの影響力は,チャーリー・パーカー,マイルス・デイビス,アート・ブレイキー等のGHQクラスには及ばないが,チャーリー・マリアーノの「G.I.ジョー」としての現場主義の活動が,確実に日本ジャズ発展の“底上げ”に貢献している。チャーリー・マリアーノこそが,日本ジャズ発展の“影の功労者”の1人なのだ。
そんなチャーリー・マリアーノが,かって強弁を振るった渡辺貞夫との共演盤が『CHARLIE MARIANO & SADAO WATANABE』(以下『チャーリー・マリアーノと渡辺貞夫』)。
バークリーでの師弟関係そのままに『チャーリー・マリアーノと渡辺貞夫』における渡辺貞夫はチャーリー・マリアーノの従者としての共演である。
…が,そこがまた格別の存在感たらしめているわけであって,渡辺貞夫がこんなにもフルートを吹きまくっているのは『チャーリー・マリアーノと渡辺貞夫』だけであろう。
こんなにもノリのいいフルートを聴かせられたら,もっとナベサダのフルートを聴いてみたくなる〜!

フルート・メインのナベサダは『チャーリー・マリアーノと渡辺貞夫』だけ。
共にチャーリー・パーカーに心酔しきっているチャーリー・マリアーノと渡辺貞夫のグッド・バイブレーション。
チャーリー・マリアーノと渡辺貞夫のチャーリー・パーカーばりの「リラックスした心地よさ」。軽さと飛翔のブラジル・ナンバー。
とにかく楽しい。とにかくごきげん。占領下にあった日本ジャズがアメリカの大衆芸術の影響下から抜け出し独自の成長ゾーンに入っている。「G.I.ジョー」がフィギュアの元祖なのです。
01. Comin' Home Baby
02. Black Orpheus
03. One Note Samba
04. Work Song
05. Oh Lord Don't Let Them Drop That Atomic Bomb On
Me
06. The Shadow Of Your Smile
07. Goin' Home
08. On The Trail
09. My Romance
10. Secret Love
(ビクター/JVC 1967年発売/VICJ-61367)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/本多俊夫)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/本多俊夫)