『NEXT』でT−スクェアが一段と“軽くなった”。
(お断り:ジャズ/フュージョン批評において「軽い」とは褒め言葉であり「薄い」とは同義語ではありません)。
“軽くなった”理由を管理人なりに分析してみると,最大要因としての「リズムが軽い」。坂東慧があくまでも“軽やかな”ドラミングに徹している。
ここまで「軽く」感じるのは,前作『SMILE』が,3人のベーシスト+2人のドラマー+1人のパーカッショニストが入れ替わる“超重量級のリズム隊”の反動なのかもしれない。
でもそれってこじつけで,本当に『NEXT』の「リズムが軽い」。例えばロック・チューンの【YOU’RE THE ONE】にしても以前のロック・チューンと同じバスドラではない。坂東慧が敢えて“叩きすぎない”スカスカの音空間を演出している。
ではなぜ坂東慧は“叩きすぎない”ようにプレイしたのか? これこそが“スクェア・メロディーのDNA”であり『NEXT』で,次なるステージに到達した“黄金のスクェア・メロディー”なのだと思う。
そう。『NEXT』は,往年の“スクェアらしさ”を残しつつも,新しい“スクェアらしさ”を追い求めた,良く言えば「意欲作」であり,悪く言えば「実験作」である。
個人的には『NEXT』における「実験」は大成功!だと思う。かってこんなにも伊東たけしがEWIを吹きまくったアルバムがあったであろうか? アルバムの半分(全10曲中5曲)がEWIである。“こだわりの”伊東たけしがEWIをメインに持ってきている。
そう。ここが『NEXT』批評の肝! “軽さ”を追求した結果としてのEWIメインの必然性なのであろう。
安藤正容もまたそうである。これはここ数年というか,もうここ10年ぐらいのことなのだが,安藤正容は一切“スクェアっぽい”曲を書かなくなってしまった。現T−スクェアの中で一番“スクェアっぽくない”のが安藤正容の作曲だと思っている。
…な・の・に安藤正容のギターに,以前にも増して“スクェアっぽさ”を感じてしまう。
『宝曲』『夢曲』『虹曲』を制作したくらいに安藤正容は“現「河野/坂東時代」のT−スクェア”を愛しているのだが,そんな安藤正容の“スクェア愛”が河野啓三と坂東慧のオリジナルを通して伝わってくる。
かって自分が作り上げた“スクェア・メロディーのDNA”を拡大した,河野啓三と坂東慧の“スクェア魂”に共鳴している。
『NEXT』で感じる“軽さ”こそが“伝統のスクェア魂”! 『NEXT』こそが「変わらないために変わり続ける」“スクェア魂”の真骨頂! 単純に「音の厚み」の問題ではないのだ。
そんな「意欲作」にして「実験作」な『NEXT』の評価は,前半5曲の印象で二分されるように思う。1曲目と4曲目と5曲目の【YOU’RE THE ONE】【SNOW WALKER】【魂の肖像】のハード・ロック路線に寄るか,それとも2曲目と3曲目の【THANK YOU】【SHINE】のポップ路線に寄るか,で『NEXT』から受ける印象は変わってくると思う。だ・か・ら「意欲作」にして「実験作」。
前半5曲と限定的に書いたのは,後半の6曲目から10曲目までは“いつもの”スクェア印なのでご安心を〜。
…と,ここまで書いてあれなのだが『NEXT』で感じる変化は,例えば『T−SQUARE』や『BLOOD MUSIC』のような表面的で分かりやすい変化ではない。
そうではなくて,もっと深い部分で“地殻変動”が起きているような…。例えば『S・P・O・R・T・S』や『GROOVE GLOBE』のような,一聴すると「王道」なのに,よくよく聴いていくと相当な問題作のような…。
うん。スクェアのファン歴30年オーヴァーな管理人をしてここに宣言してしまおう!
『NEXT』は,後々語り継がれるであろう「スクェアの歴史上の分岐点」となり得るアルバムである!
『NEXT』前,『NEXT』後,と区別されるべき大名盤である!
『NEXT』には,王道をしっかりと継承しつつ“新しいスクェアの芽”が随所に表われている。管理人は大地震の予兆は感じ取れないが,スクェア内で起こっている大地震の予兆は感じている。もしハズレていたらごめんなさい。
それにしても『NEXT』のキラー・チューン3曲=【SHINE】【WISH】【NEXT】全てを作曲した坂東慧は素晴らしいソング・ライターである。坂東慧こそが「Mr.T−SQUARE」であろう。
スクェア・ライブのクライマックスで流れてほしい『WINGS』の【THE BIRD OF WONDER】。オープニングで流れてほしい『SMILE』の【OPEN THE 35TH GATE】と来て,アンコールのラストで聴きたい『NEXT』の【NEXT】。
振り返るとそこには坂東慧。“軽やかな”坂東慧。「Knock! Knock!」な坂東慧。坂東慧の『NEXT』がT−スクェアの『NEXT』であると確信する。
DISC 1 (CD)
01. You're The One
02. Thank You
03. Shine
04. Snow Walker
05. 魂の肖像
06. WISH
07. Kiss and Cry
08. Eagle Spear
09. I Stand Alone
10. NEXT
DISC 2 (DVD)
01. Victory
02. Future Maze
(お断り:ジャズ/フュージョン批評において「軽い」とは褒め言葉であり「薄い」とは同義語ではありません)。
“軽くなった”理由を管理人なりに分析してみると,最大要因としての「リズムが軽い」。坂東慧があくまでも“軽やかな”ドラミングに徹している。
ここまで「軽く」感じるのは,前作『SMILE』が,3人のベーシスト+2人のドラマー+1人のパーカッショニストが入れ替わる“超重量級のリズム隊”の反動なのかもしれない。
でもそれってこじつけで,本当に『NEXT』の「リズムが軽い」。例えばロック・チューンの【YOU’RE THE ONE】にしても以前のロック・チューンと同じバスドラではない。坂東慧が敢えて“叩きすぎない”スカスカの音空間を演出している。
ではなぜ坂東慧は“叩きすぎない”ようにプレイしたのか? これこそが“スクェア・メロディーのDNA”であり『NEXT』で,次なるステージに到達した“黄金のスクェア・メロディー”なのだと思う。
そう。『NEXT』は,往年の“スクェアらしさ”を残しつつも,新しい“スクェアらしさ”を追い求めた,良く言えば「意欲作」であり,悪く言えば「実験作」である。
個人的には『NEXT』における「実験」は大成功!だと思う。かってこんなにも伊東たけしがEWIを吹きまくったアルバムがあったであろうか? アルバムの半分(全10曲中5曲)がEWIである。“こだわりの”伊東たけしがEWIをメインに持ってきている。
そう。ここが『NEXT』批評の肝! “軽さ”を追求した結果としてのEWIメインの必然性なのであろう。
安藤正容もまたそうである。これはここ数年というか,もうここ10年ぐらいのことなのだが,安藤正容は一切“スクェアっぽい”曲を書かなくなってしまった。現T−スクェアの中で一番“スクェアっぽくない”のが安藤正容の作曲だと思っている。
…な・の・に安藤正容のギターに,以前にも増して“スクェアっぽさ”を感じてしまう。
『宝曲』『夢曲』『虹曲』を制作したくらいに安藤正容は“現「河野/坂東時代」のT−スクェア”を愛しているのだが,そんな安藤正容の“スクェア愛”が河野啓三と坂東慧のオリジナルを通して伝わってくる。
かって自分が作り上げた“スクェア・メロディーのDNA”を拡大した,河野啓三と坂東慧の“スクェア魂”に共鳴している。
『NEXT』で感じる“軽さ”こそが“伝統のスクェア魂”! 『NEXT』こそが「変わらないために変わり続ける」“スクェア魂”の真骨頂! 単純に「音の厚み」の問題ではないのだ。
そんな「意欲作」にして「実験作」な『NEXT』の評価は,前半5曲の印象で二分されるように思う。1曲目と4曲目と5曲目の【YOU’RE THE ONE】【SNOW WALKER】【魂の肖像】のハード・ロック路線に寄るか,それとも2曲目と3曲目の【THANK YOU】【SHINE】のポップ路線に寄るか,で『NEXT』から受ける印象は変わってくると思う。だ・か・ら「意欲作」にして「実験作」。
前半5曲と限定的に書いたのは,後半の6曲目から10曲目までは“いつもの”スクェア印なのでご安心を〜。
…と,ここまで書いてあれなのだが『NEXT』で感じる変化は,例えば『T−SQUARE』や『BLOOD MUSIC』のような表面的で分かりやすい変化ではない。
そうではなくて,もっと深い部分で“地殻変動”が起きているような…。例えば『S・P・O・R・T・S』や『GROOVE GLOBE』のような,一聴すると「王道」なのに,よくよく聴いていくと相当な問題作のような…。
うん。スクェアのファン歴30年オーヴァーな管理人をしてここに宣言してしまおう!
『NEXT』は,後々語り継がれるであろう「スクェアの歴史上の分岐点」となり得るアルバムである!
『NEXT』前,『NEXT』後,と区別されるべき大名盤である!
『NEXT』には,王道をしっかりと継承しつつ“新しいスクェアの芽”が随所に表われている。管理人は大地震の予兆は感じ取れないが,スクェア内で起こっている大地震の予兆は感じている。もしハズレていたらごめんなさい。
それにしても『NEXT』のキラー・チューン3曲=【SHINE】【WISH】【NEXT】全てを作曲した坂東慧は素晴らしいソング・ライターである。坂東慧こそが「Mr.T−SQUARE」であろう。
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振り返るとそこには坂東慧。“軽やかな”坂東慧。「Knock! Knock!」な坂東慧。坂東慧の『NEXT』がT−スクェアの『NEXT』であると確信する。
DISC 1 (CD)
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02. Thank You
03. Shine
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05. 魂の肖像
06. WISH
07. Kiss and Cry
08. Eagle Spear
09. I Stand Alone
10. NEXT
DISC 2 (DVD)
01. Victory
02. Future Maze
(ヴィレッジ/VILLAGE 2014年発売/VRCL-10117-8)
★【初回生産限定盤】SACDハイブリッド盤+DVD 2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート
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★音匠仕様レーベルコート
コメント一覧 (8)
スイングジャーナルに出しても恥ずかしくない。
どこがNEXTなのか、よく判りました。
今回のアルバムは、なかなかスーと頭に入ってこなかったのね。ローカ現象なんだろうけど(爆)。
いつも以上にヘビロテして、「あぁコレコレ」ってハマってきたとこです。
個人的にライブ聴きたいのが10.だけど、伊東さんがテーマ取らない限りしないだろうね。テーマがギターだからいいんだろうけど・・・
続きは打ち上げで。
『NEXT』。いいですよね〜。聴き応えがある内容なのに,軽さを追求した大名盤だと思います。
ここまでバンドの個性が確立しているのに,まだまだ変化や実験を試みるスクェアがますます好きになりました。 それくらいハマッテいます。
『HUMAN』越えはまだですが『33』『ナイン・ストーリーズ』『WINGS』を越える,現メンバーでの最高峰だと思います。
私も【NEXT】をライブで聴きたいです。【NEXT】は育てれば【LITTLE MERMAID】のような楽曲になれると思います。伊東さんはノリノリで吹いてくれると思いますよ〜。熊本と長崎と福岡で聴いてきま〜す。続きは打ち上げで〜。
I STAND ALONEの間違えです。
NEXTも好きだけど。
現在、大分に向かってます〜。日帰りですが!
お気に入りは【I STAND ALONE】なのですね。安藤さんしていると思います。
【NEXT】のルンルン系がたまりません。伊東さんの名演なのでhimebowさんもきっと気に入るはずだと思います!
お仕事で大分日帰りお疲れ様です。大分公演の土産話にして裏話はhimebowさんからたくさん聞けそうですよ〜。
また是非,hiroaki0907sさんと参戦&音楽話楽しみたいです。口約束ではないですよ。是非!
「WISH」「Kiss and Cry」「NEXT」の『NEXT』批評,興味深く読ませていただきました。
安藤さんの作風が,従来のスクェアらしさから一番遠い感じがしています。坂東くんはどうしてこんなにもいいメロディを書けるのでしょうね。安藤さんと和泉さんの2大メロディ・メイカーのDNAを受け継いだ,スクェア育ちのサラブレットとでも呼ぶべき存在です。
EWI。本当に出番が多いですね。伊東さんがEWI1000のアナログ・サウンドにハマッテしまったのもあるのでしょうが『NEXT』には,EWI1000を必要とする楽曲が多く制作されたということでしょうね。『NEXT』が最高です!