
しか〜し,ここで“いわくつき”『INNER SPACE』(以下『インナー・スペイス』)の投入! その結果,チック・コリア“衝撃”のデビュー三部作はデビュー四部作へとトランスファー!
なぜ『インナー・スペイス』は“いわくつき”なのか? 『インナー・スペイス』の真実とは,チック・コリアのファースト・リーダー作『TONES FOR JOAN’S BONES』(以下『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』)の曲順を入れ替えた全4トラックとその未発表2トラックに,チック・コリアが作曲し,フルート奏者のヒューバート・ローズと共演した『LAWS CAUSE』収録の2トラックを加えたコンパイル盤。
要は『RETURN TO FOREVER』の大ヒットにあやかり,幻のデビューCD『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』をも売ろうとした,チック・コリア人気を利用した“便乗商品”なのである。
しか〜し,リターンズ! この“いわくつき”『インナー・スペイス』の演奏が凄いのだ。管理人なんかは一発でKOされてしまった。チック・コリア,凄すぎ〜!
ズバリ『インナー・スペイス』におけるチック・コリアが“知的”すぎる。雰囲気としては,新主流派をベースにフリー・ジャズ的なアプローチの,真に唯一無二なジャズ・クインテット。熱い演奏なのに“COOL”なのだ。“斬新な風”が終始吹きまくっているのだ。爽やかで,瑞々しく,力強い演奏。賛辞の言葉が並ぶしかない。

気持ちは分かります。事実,管理人も内容への期待というよりも「紙ジャケット+SHM−CD」に惹かれて「コレクターズ・アイテム」として数年前に購入した口だからです。
でもでも,これが40年以上前の演奏とはとても思えないくらい,新鮮なチック・コリア流のクインテットに大満足〜。絶対に後悔させません。
というか『インナー・スペイス』を聴かずして,デビュー直後のチック・コリアについて語ってもらいたくはないのです。この理解があれば「御三家」である,キース・ジャレットとハービー・ハンコックとの評価の比較にも影響があるはずです。キッパリ。
若き日のジョー・ファレル,ウディ・ショウ,スティーブ・スワロウ,ジョー・チェンバース,ヒューバート・ローズ,ロン・カーター,クラディ・テイト,カール・ポーターの演奏も聴けますし,あの名曲【WINDOWS】の再演も聴けますから〜。
ここまで無理でも最後に喰い付け! 【TRIO FOR FLUTE,BASSOON AND PIANO】では,チック・コリアのバックボーンである「ジュリアード音楽院」が絶対に感じられますよっ。
01. STRAIGHT UP AND DOWN
02. THIS IS NEW
03. TONES FOR JOAN'S BONES
04. LITHA
05. INNER SPACE
06. WINDOWS
07. GUIJIRA
08. TRIO FOR FLUTE, BASSOON AND PIANO
(アトランティック・ジャズ/ATLANTIC JAZZ 1973年発売/WPCR-13194)
(紙ジャケット仕様)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/大村幸則)
(紙ジャケット仕様)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/大村幸則)