
…というのは冗談であるが,実は多くのコンピレーション・アルバムをリリースしている。
これって本人的にはどうなのかなぁ,隠しておきたい黒歴史じゃないのかなぁって思ってしまう…。
「COMPILED BY 山中千尋」名義の4枚『ユニバーサル・ア・ゴー・ゴー!』『ジャズ・レミニセンス』『クラシック・レミニセンス』『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』のコンピレーション。
そのうちの2枚『ジャズ・レミニセンス』と『クラシック・レミニセンス』は,ちーたんの車の助手席で流されたらトロトロもの?だが完全なるアウト。
この2枚を山中千尋名義で発売したのは,後のち,山中千尋の“汚点”とされるのではなかろうか?
…でっ,問題なのは『ユニバーサル・ア・ゴー・ゴー!』と『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』の2枚。なぜなら,こちらのコンピレーション・アルバムには山中千尋の新録音入り!
『ユニバーサル・ア・ゴー・ゴー!』には【THE BACKSTROKE DANCE】【GRACEFUL GHOST】の2トラック。『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』には【SUMMERTIME】【DON’T KNOW WHY?】の2トラック。
この4トラックの新録音は聴いてみたい。でもアルバム1枚を買うほどではない。う〜む。実に悩ましい。
さて,そんなこんなで本日の主役(『SOMETHIN’ BLUE』)(以下『サムシン・ブルー』)レビューのはじまりはじまり〜。
才女のちーたんは,かわいい顔して,実な熱心な「ブルーノート信者」の1人であった。
ズバリ『サムシン・ブルー』=「ブルーノート・レーベル75周年記念」盤との概要を読んで感じた“例のイロモノ・コンピレーション?”への不安なファン心理を一蹴する山中千尋の音使い!
ブルーノート・レーベルからのカヴァーの2曲は,ハービー・ハンコックの【I HAVE A DREAM】とバド・パウエルの【UN POCO LOCO】。
残るはトラディショナルの【FUNICULI FUNICULA】と山中千尋のオリジナルが8曲なのだが,この山中千尋オリジナルが「ブルーノート信者」の真骨頂! 【I HAVE A DREAM】よりも【UN POCO LOCO】よりも“ブルーノートの香り”がする!
山中千尋には『BECAUSE』という“オリジナルとは「似ても似つかぬ」ビートルズのカヴァー集”があるのだが『サムシン・ブルー』の印象も『BECAUSE』のそれと似ている。
『サムシン・ブルー』を聴き込めば聴き込むほど,山中千尋のオリジナルが“オリジナルとは「似ても似つかぬ」ブルーノート・カタログからのカヴァー集”のように響いている。『サムシン・ブルー』を聴き込めば聴き込むほど「いつかどこかのブルーノートで聴いたことのある感じ」に行き当たる。
管理人が山中千尋に「ブルーノート信者」を感じる所以である。

1500番台,4000番台のハード・バップ〜モードで彩られたユニゾン&ハーモニーが,溌剌としていながら燻し銀っぽい“スモーキーな渋味”も絶妙に漂っている。ギターに“ピアノを奪われた”ホーンでのユニゾン&ハーモニーがブルーノートしている。
山中千尋がサイドメンに許したアドリブが“定石”通り。各メンバーのソロ廻しが小気味良く決まった,非常にバランスのとれた演奏が展開されていく。うん。いい。実にいい。
ここまで“絵に描いたような”ブルーノート・ミュージックを作るのは,相当な覚悟が必要だったことだろう。「ブルーノート信者」であれば尚更だと思う。
あっ,だからこっぱずかしさを隠すためのコンピレーション“気分”なのかっ。
『サムシン・ブルー』はコンピレーション・アルバムではないのだが,山中千尋にとっては5枚目のコンピレーション“気分”ではなかろうか?
DISC 1 CD
01. Somethin' Blue
02. Orleans
03. I Have A Dream
04. Un Poco Loco
05. Funiculi Funicula
06. A Secret Code
07. Pinhole Camera
08. For Real
09. On The Shore
10. You're A Fool, Aren't You
11. Go Go Go
DISC 2 DVD
01. For Real
02. On The Shore
03. Somethin' Blue
(ブルーノート/BLUE NOTE 2014年発売/UCCQ-9009)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD
コメント一覧 (2)
ちーたんのコンビ盤をフォローされているとは恐れ入りました。ちーたんの頭の中は迷宮のようなので,ちーたん・セレクトのコンビを聴くのが正直,恐いのです(冗談です)。
さて『サムシン・ブルー』ですが,ブールーノートの王道でマジで大好きです。ちーたんの頭の中で鳴っているホーンがブルーノートしています。
ほんの数秒聴いただけでも山中千尋と分かる個性もお見事ですねっ。